TASCAM DR100mkII分解再び。壊れたラッチロック機構を取り除いた。

TASCAM DR100mkIIのLチャンネルXLRレセプタクルは、コネクタが抜けなくなる事件以来、どんなXLRコネクタを接続しても抜けなくなる症状が続いています。
結局のところラッチロックピンの故障ですので、ロックピンを取り除いてしまうことにしました。
ピンを取り除くために再び分解してみます。結果は如何に!?
念のため確認しとく

分解前に、本当に抜けないか念のため確認しときました。ノイトリックのXLRオスを接続したところ・・・やっぱり抜けません!
ハイ、分解決定!!
分解する

前回の記事を参考にしながらサクサク分解し、XLRレセプタクルの裏からドライバーで突っついてノイトリックコネクタを抜きました。

ここからが今回のネタ。ラッチロック機構を取り除いてしまいます。
ラッチロック機構は、XLRオスコネクタのロック窓に食いつくバネと、そのバネを動かすプッシュピンとで構成されています。
こちらの動画を見ると、構造がなんとなくわかってきます。
この動画で作業しているベリンガーX32(デジタルミキサー)のレセプタクルのバネには、そうしてくださいと言わんばかりの穴が開いていて、テコの原理を使ってバネをレセプタクルから抜き取ることが可能です。
ですがDR100mkIIのレセプタクルのバネにはそれがありません。バネはレセプタクルの樹脂素材にしっかりと差し込まれているので、DR100mkII本体に付いた状態では、力を加えて抜くことはできなさそうです。
一方でプッシュピンですが、動画では、レセプタクル裏側からマイナスドライバーを突っ込んで、プッシュピンを表側から抜いています。

同様にやってみると、プッシュピンは抜くことができました。
でもバネの方は、やはりテコでも動きそうにありません。
更に分解する

仕方ないので、DR100mkIIを更に分解していきます。
この面で見える基盤は3つに分かれていて、右側が液晶も載っているメイン基板、左がXLRレセプタクル基盤、下の小さいのがデジタル入力用基盤です。

XLRレセプタクル基盤だけを本体から外したいのですけど、そのためにはメイン基板も一度外さなければならない構造のようです。
基盤を止めているネジをすべて外したら・・・

こんな感じでメイン基板をずらすことができました!メイン基板は更にその下の基盤とケーブルで繋がっているので、強引に動かすのはNGです。

XLRレセプタクル基盤が取り外せました・・・!

レセプタクルから伸びる3本の接点が基盤にはんだ付けされています。
このレセプタクルがもし汎用品だとしたら、上記のノイトリック製レセプタクルに取り替えるなどできるかもしれません。
ラッチロックバネを抜く

ただ小生にはそんなことは不可能なので、あくまでラッチロックピンの除去を進めます。
こちらからみるとわかるとおり、バネはレセプタクルのほんのわずかな溝に差し込まれています。この溝がなければバネは抜けるはず・・・というわけで、ここで禁断の大技!
はんだごてでバネを熱して溝を溶かしちゃおう作戦!!

熱したgootのはんだごてをバネに数十秒当て、熱くなったなと思ったタイミングで、ラジオペンチでバネを掴んでみます。

数分の格闘ののち、バネを抜くことができました!
ピンとバネはこのような形状をしていることもわかりました。
確認&組み戻す

ピンもバネも抜け、ラッチロック機構のなくなったLチャンネルXLRレセプタクル。コネクタが抜き差しできるか念のため確認しました。
結果はOK。XLRコネクタを抜き差しできるようになりました。

逆の手順で組み戻します。やれやれもとに戻った、と思ったら、ネジが1個余った!なんということでしょう!

DR100の展開図を再掲します。表蓋と裏蓋を閉じる前にネジが余っていることに気づいたので、おそらく内部の基板を固定するネジをどれか締め忘れたのでしょう。
今回はじめて分解した部分は、試行錯誤しながらの作業だったので、外したネジをいちいち記録していなかったんですよね。こういうことが起こるから、分解時の情報管理は重要ですよ(๑•̀ㅁ•́๑)✧

あらためて、方チャンだけバネもプッシュピンも無くなったTASCAM DR100mkIIです。
動作検証
せっかくここまで手をかけたDR100mkIIですけど、正常に動かなければジャンク品として手放すしかなくなります。

XLRのLR両方にマイクを繋ぎ、スピーカーから出た音を拾えているか検証しました。
マイクはベリンガー C-2。安価ながらステレオペアマッチング済みのコンデンサーマイクで、なにかと出番の多いマイクです。
結果はこのとおり、両チャンネルとも正常な入力を確認できました。これにて作業終了です。
というわけで、小生のDR100mkIIはなんとか再起しました。
ですが、XLRレセプタクルのラッチロック機構を失ったうえ、数回行った分解のせいでちょっと信頼性を失ってしまったのも事実です。現場に持ち出す際は注意しながら運用していこうと思います。
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