SENNHEISER MKE 600購入レビュー

というわけで、集音のことを勉強するためにゼンハイザー(SENNHEISER)のマイクをいくつか購入しました。
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— hermitcrab (@HermitcrabWeb) January 2, 2023
今年は #ゼンハイザー のマイクに勉強させてもらいます!#Sennheiserhttps://t.co/nlsehyrpgL pic.twitter.com/kxyYqnDr06
購入したのはMKE 600 LAB(MKE600とMKE200の数量限定セット)(新品)と、インタビュー収録用のXSW-Dポータブルラベリアセット(中古)です。
この記事ではショットガンマイクMKE600をご紹介します。
MKE 600 LAB

前述のとおり、ショットガンマイクMKE600にオンカメラマイクMKE200を一式パッケージにしたのが、MKE 600 LABです。

プライスタグを見てわかるとおり、MKE600を単体購入するのとほぼ同じ値段でセットが流通しています。MKE600の新品購入を検討していたので、迷わず購入しました。ゼンハイザーの非売品ステッカーも付属していました。
MKE600開封

MKE600は2012年頃に発売されたショットガンマイクです。業界標準で映画製作現場でも採用されているMKH416に近い特性がありますが、ファンタム電源に加え乾電池駆動も可能で、ローカットフィルターも備えており、MHK416より活用できるシチュエーションが広いです。ただし渡辺健一氏によると、MKH416に比べセッティングがシビアで難しいマイク、とのこと。
MKE600の化粧箱はこんな感じ。以下で触れますがKA600が同梱されるなど発売当初からリニューアルされているので、パッケージデザインも発売当初とは異なっているようです。

OPEN HEREって書いてあります。

収納ポーチの下に、MKE600、スポンジのウインドシールド(MZW600)、ショックマウントホルダ(MZS600)、XLR-ステレオミニ3極接続ケーブル(KA600)が収納されています。
KA600はもともと別売りだったのですが、2021年5月14日以降出荷分から同梱されることになったそうです。過去のレビューを見るとKA600は別売りとの情報もありますが、いま新品購入すれば付属していると考えて良いでしょう。

箱から出してみました。
MKE600各部をチェック

全長256mm、直径20mmの円筒状のマイクです。

先端部は二重メッシュ構造。

中央部に、電源とローカットフィルターのスイッチ、通電状態を示すLEDが付いています。電源スイッチとLEDは、電池駆動時に活用します。

ローカットフィルターは、100Hz以下を減衰される仕様。風切り音などを減少させてくれる効果があります。非常に静かな環境での収録でなければ、常時onが良さそう。

出力はXLRオス。

根元側を回すと、電池収納スペースが現れます。

ひとまずエネループを入れてみました。

電源onにすると、LEDが点灯しました。

LEDの状態で電池残量がわかることになっている・・のですが、このイラストはどう解釈すればよいのでしょう(笑)ネット情報だと、電池残量が充分なときはスイッチonで1秒点灯(その後消灯。常時点灯ではない)、残量が8時間以下になると点灯したままになるとのことなのですが、この図ではそうは解釈できないんですけど(笑)
ちなみに点灯状態になってから、あと8時間は動作する設計、ともいえます。新品電池で150時間動作するうえ、余裕を持って残量警告表示が出るので、電池切れによる録音の失敗をできるだけ防ぐ設計になっています。もちろん、電池残量はこまめにチェックするのが最善です。

ちなみにファンタム電源運用時は、スイッチのon/offに関わりなく電源を送った時点でLEDがグリーンに点灯します。
付属品をチェック
こちらは付属のショックマウントアダプタMZS600です。土台にはホットシューアダプタと1/4ネジが切ってあります。
ホルダと土台の間にあるのがラバー製のショックマウントで、カメラ側の振動をほとんど吸収してくれることで定評があります。これがあれば、レンズのAF駆動音に悩まされることもなさそう。MKE600ユーザーでなくとも、同じ20mm径のマイクなら使えることでしょう。

こちらは接続ケーブルKA600です。XLRメスとミニTRSオスとが、カールコードで接続されています。

安価なXLRコネクタで痛い目にあったこともあり、XLRコネクタを見ると分解したくなる小生です。

ちょっと変わった結線がしてありました。

CT100でテストしてみました。
このケーブルは、MKE600と一般的なデジカメのマイク入力とをダイレクトに接続するものです。MKE600はモノラル出力、デジカメは一般的にステレオ入力なので、1ch出力を2chに分配して入力できるようにするよう、結線してあるのです。
α7IIIに接続する

付属品を使い、MKE600をα7IIIにセットしました。

よくある、ちょっといいマイクを使った収録、といった風貌になりました。SENNHEISERのロゴが主張していて、デキル人を演出するのにも一役買ってくれています。見た目はバッチリですね。

MKE600にしろほかのマイクにしろ、カメラの上に取り付けたマイクがマッチする収録現場は、実はとても限られているんです。
というのは、マイクには最適な音で集音できる距離があって、それを外すとどんな高価なマイクもぼやけた音でしか録れなくなってしまうのです。

詳細は省きますが、マイクの上に載せるより、このようにケーブルを延長させて録音対象物に近づけたほうが、マイクの性能を発揮させられる場面が多くなるのです。これ、照明におけるオフストロボと同じように考えると、とても納得できます。
せっかくのMKE600ですから、性能を最大限に発揮させられるよう、これからも精進あるのみ!
マニュアル・仕様
MKE600クイックガイドpdfはこちらにあります。

指向特性(ポーラーパターン)と周波数特性はこちら。マニュアルに記載されているものです。
スペックは以下のとおり。
指向特性 | スーパーカーディオイド/ローバー |
周波数特性 | 40Hz ~ 20kHz |
感度 | 21mV/Pa (P48)、19mV/Pa (battery) |
最大音圧 | 132dB SPL (P48)、126dB SPL (battery) |
等価ノイズレベル | 15dB (A) (P48)、 16dB (A) (battery) |
電源 | 48V ± 4Vまたは単3電池(1.5V/1.2V) |
消費電流 | 4.4mA (P48) |
電池での動作時間 | 約150時間/“Low Batt”表示:< 1.05V/ *最初に表示されてから約8時間動作可能 |
直径 | 20mm |
長さ | 256mm |
重量 | 128g (電池含まず) |
動作温度範囲 | –10℃ ~ +60℃ |
<XLRマイクケーブルで接続する場合> | |
信号方式 | バランス |
ピンアサイン | (1: GND、2: Hot、3: Cold) |
レベル | マイクレベル |
<KA 600で接続する場合> | |
信号方式 | アンバランス |
ピンアサイン | (Tip: + L、Ring: + R、Sleeve: -) |
レベル | マイクレベル |
参考サイト。義務教育が終わっても、勉強は一生続くのです!
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