この手に世界の時刻を!Orient Star ワールドタイムWZ0021FA中古購入レビュー。

2022-02-20腕時計ORIENT

ホワイト文字盤にパワーリザーブ、日付針、そして時間とともに自動で回転する24時間リングを備えた、オリエントスターを中古購入したのでレビューします。折しも今日は12月31日。機械式腕時計にハマった今年の最後の投稿になります。

Orient Star WZ0021FAはどんな時計?

前日のとおり中古で購入したこのWZ0021FA、購入したサイトにはワールドタイムFA00-C1との記載しかありません。例のごとく、FA00-C1でググっても中古販売サイトやヤフオクなどしかヒットせず、公式な情報にたどり着くことができません。

丹念に画像検索を続けると、WZ0021FAという品番を発見。この品番でググると、以下の参考サイトに行き着きました。

オリエントスター GMT WZ0021FA

Orient Place – The Place for Orient Watch Collectors and Fans: March 2020

Orient Star Catalog from 2003 | Yeoman’s Watch Review

いずれも公式情報ではないですけど、情報が充実しており信頼できそう。これらを総合すると、WZ0021FAの素性がわかってきました。

販売開始時期は2003年頃 オリエントのワールドタイム/GMTモデルの最初期の製品群のひとつらしい。

文字盤のカラーバリエーションブラック(WZ0011FA)ブルー(WZ0031FA)ホワイト(WZ0021FA)の3パターン

定価 税抜48,000円、税込50,400円 つまり消費税率5%時代(1998年4月~2014年3月)に販売されていた製品

自動巻き(手巻き無し)、ハック機能無し、パワーリザーブ40時間以上、パワーリザーブインジケーターあり、風防は球面サファイアクリスタル、シースルーバック、5気圧防水、日差+25~-15秒

2003年のオリエントスターカタログより

2003年のカタログページが掲載されていました。貴重な資料なので転載させていただきます。問題があればお知らせください。

時計本体にシリアル番号等は刻まれていないため製造時期は断定できませんが、2003年頃のモデルということは20年近く前の機械式腕時計ということになります。

古すぎるせいか、オリエントの公式サイトにもニュースリリースなどが載っていないWZ0021FAです。小生の手元に来たものをじっくりと眺めてみたいと思います。

ファーストインプレッション

ステンレス製のケースとブレスで構成され、リューズには控えめなリューズガードが付いています。ホワイト文字盤にシルバーのハンド、文字も細めのセリフ書体で、情報量は多いながらスッキリとした印象です。

ベゼルにはGMTを含む24都市が刻印されています。風防内のチャプターリングに当たる部分は回転表示版で、1から24の記載があり、これが24時間計となります。

文字盤上部です。12時位置にパワーリザーブインジケーターがあります。インデックスはバー状のアプライドで外周側に蓄光塗料があります。時針と分針は山折りのドーフィン針で根元にライン上の蓄光があります。秒針は細めですがややどっしりとしたカウンターウェイトがあります。分針、秒針とも長いわけではないのですが、インデックスが内側に寄ったデザインでインデックスに届いているので、長さは充分と言えます。

3時位置にオリエントスターのロゴとOrient Star World Timeとの表記がありますが、モデルによってはWorld Time部分がRoyalだったりAutomaticだったりします。モデルを見分けるポイントのひとつです。

文字盤下部です。6時のインデックスは円形です。そして6時位置にあるのが日付表示で、数字とインデックスで31日の位置を示しています。6時のインデックスの両サイドに小さな文字が。JAPAN Y FA00-000 Tと記載されています。

ベゼルにある国名表示は刻印のみのシンプルなもの。ブラックとブルーのモデルは刻印の中に黒インクが流し込まれています。それはそれで良いのですが、インクは経年で剥がれてきてしまいますからね。

光の角度によりベゼルの表情が変わります。

風防は球面サファイアクリスタルです。片面のみ球面のようです。

片面球面であることが分かるのがこの写真。穏やかに膨らんだドーム型風防ですが、これくらい斜めから文字盤を見ると、風防周辺部から像が歪みはじめ・・・

これくらいの角度だと手前半分は像が歪んで見えなくなってしまいました。フラット風防や両面球面ドームだと斜め方向からの視認性も確保されていますので、この風防は片面ドーム型ということになります。

リューズにはオリエントスターのロゴ入り。ケースサイドはポリッシュされていますね。バックルは小さめで微調整穴は2つだけ。

バックルにはオリエントスターのマーク入り。ちなみにラグ幅は18mmでバックル近くのブレスは16mm。革バンドのように、ラグからバックルにかけて緩やかに細くなるデザインのブレスです。

裏蓋はねじ込みタイプ。弓カンは無垢ではありません。

自動巻きローターに46K40というキャリバー名が記載されていました。裏蓋周囲の記載は次のとおり。ORIENT EATCH CO., LTD JAPAN KW FA00-C1 CS WATER RESISTANT 5BAR ALL SAINLLESS STEEL

このムーブメントの取説は公式にありました

リューズを除くベゼル径は実測で38.5mm。都市名が刻まれた太めのベゼルと風防内部の24時間計のおかげで文字盤自体は小さめなので、若干小ぶりな印象です。ただ厚みは13mmで、重量は実測で121gでした。細身ブレスの腕時計にしてはずっしりとした重みを感じます。まあ150gを超えるカマスに比べたら軽いですけど。

洗浄する

20年近く前の製品であることに加え、歴代オーナーによるUSED品なので、細部に汚れが残っています。これをきれいに洗浄し、ピカピカな状態で使用したいと思います。

ブレスを外しました。バネ棒は、ラグ部分の18mmが2本、バックル微調整用の16mmが1本。弓カンは無垢ではなく板を曲げて作られたものです。

ブレスの洗浄にはセスキ炭酸ソーダ溶液を使います。

カップ1杯の水を40℃に温め、セスキ炭酸ソーダ粉末を大さじ1杯溶かし、その中にブレスなど金属パーツを入れて数分放置します。

ケースは5気圧防水なので日常生活防水ではありますが、あくまで真水環境での性能ですし、しかもここ十数年どのような運用をなされているか分かりません。ですので、非防水に準じた考え方で手入れをしていくことにします。

ブレスを外したことで、ブレスとケースとの接触部分に溜まった汚れにアクセスできます。セスキ炭酸ソーダ溶液をつけた綿棒でゴシゴシ擦ると・・・

ここまできれいになりました!同じ要領でケース全体をクリーニングしていきますが、綿棒が届かない部分は古歯ブラシなども使います。

リューズのギザギザにも塵芥が詰まっていましたが、リューズが押し込まれていることを確認した上で、わずかに湿らせた歯ブラシでこすると、このとおりきれいに。

ラグ部のくぼんだ部分の洗浄にも古歯ブラシは重宝します。

ケース裏側もピカピカに!

裏蓋オープナーの歯が収まるくぼみも塵芥の溜まりやすい部分です。

こうして洗浄してみると、今回購入したものはかなりの美品であることが分かりました。

ケース裏側とムーブメントがきれいに見えるようになりました!

ベゼルの刻印のくぼみも軽く歯ブラシで擦ったら、再度リューズを確認してからケース全体に水をそっと掛けて拭き取り、細部にブロアーをかけて水分を完全に飛ばします。

セスキ炭酸ソーダ溶液を見てみると・・・やはりそれなりの汚れが付着していました!

溶液から上げて水洗いし、こちらもブロアーで水分を完全に飛ばします。

ブレスを本体に取り付けました。※ここからの写真(背景が黄色とコルクのもの)は、ブレスの上下が間違って装着してしまいました。原稿執筆時に気づきました・・・お恥ずかしいです。

きれいになったWZ0021FAを再度眺める

ベゼルやケースに差し色がないため、ゴツい無垢ステンレス塊という感じ。

4時方向にTOKYOの文字が。

24時間計は時針に連動して24時間で1回転し、24時間計と各国の刻印とを見ればその国の現地時間が分かるという構造です。

たとえばこの写真では時針が5時を指していますが、ベゼルのTOKYOのところに24時間計の5が来ていて、時針と24時間計は対応していることが確認できます。この状態でNEW YORKを見ると、現地時間は15時であることが分かります

ケース側面や裏蓋、そしてブレス側面のポリッシュもきれいな状態。本当に美品です。

照明を変えて何カットか撮影してみました。相変わらずブレスの上下が逆ですが・・・。

説明書をチェックする

前述のとおり、取説はこちらの公式からダウンロードできますので、大事そうなところをチェックしていきます。

まずは基本的な仕様から。WZ0021FAはCal.46K40というムーブメントを積んでいますので、赤枠の中が基本的な仕様となります。21,600振動/時間のいわゆるロービートで、手巻きなし、ハック(秒針停止装置)なしと明記されています。

ワールドタイム機能の使い方は、リューズを一段引くと時計回りで回転表示板(24時間計)が回転するので、現在時刻を東京のところに合わせておけば、各都市の現在時刻が分かるという仕組みです。ちなみにリューズ一段引きで反時計回しすると日付調整、リューズ2段引きで時刻合わせになります。

装着してみた

装着して外に出てみると、キラキラと輝くベゼルに気分が高ぶります。自動巻き性能も大変良好で、5時間ほどの装着でゼンマイはほぼフルに巻き上がりました。

前オーナーも小生並みに細腕のようで、ブレスはほぼぴったりで時に窮屈に感じることもあります。今後、ラグ幅18mmの本革ベルトを試してみようかな。いや、NATOストラップでも良いかも。

蓄光塗料はこんな感じで光ります。パワーリザーブインジケーターの針にも蓄光塗料が付いているのって珍しくないですかね?

日差を数日かけて計測してみました。着用と平置きを繰り返しましたが、遅れ・進みの傾向はよく分かりません。平均すると1日あたり-5秒で、若干の遅れ傾向でしたが、日差+25~-15秒というカタログスペック内です。

まとめ。WZ0021FAのユニークなデザインに気分がアガる!

手巻きもハック機能も付いてなく、小生所有の機械式時計の中ではロースペックと言わざるを得ないWZ0021FAですけど、古い製品だけあって現代とは少し異なったセンスの光る腕時計です。ハック機能が無いため秒単位での正確な時刻合わせができませんが、おかげで1分以内の誤差は自然と無視できてしまいます

WZ0021FAの購入経費は約14,000円でした。小ぶりな文字盤の腕時計で1日過ごしたいときにはベストチョイスです。

腕時計ORIENT

Posted by Hermitcrab