2024年秋。久しぶりの自宅避難訓練。
久しぶりに自宅避難訓練を実施したので記録します。今年も能登半島地震、台風災害、そして能登半島を再び襲った豪雨災害など、まさに災害列島の名をほしいままにしているかのような日本列島。小生が今のところ無事なのはただの偶然と考え、不定期にシミュレーションを繰り返しています。
今回の自宅避難訓練は2024年9月中旬某日。想定する状況は、だいたいいつものとおりですが次のとおり。
①停電、断水、ガス供給ストップ
②スマホ充電はストックしているモバイルバッテリーのみ可
③電気は来ていない想定だが、自宅避難訓練に関係ないパソコン、ネット回線は使用可。娯楽としてテレビも見て良いよ
起床&自宅避難訓練開始

朝起きてびっくり!電気がつかない!ガスも来てない!という感じで白々しく驚きながら自宅避難訓練開始。
さっそくスマホの充電が切れそうなのに気づく。モバイルバッテリーから充電。

水を準備する。過去の経験から、2リットルのペットボトルをひとり1本用意。

朝のニュースはタブレットでNHK+視聴。
朝食

まずはお湯を沸かす。ガスは使えないのでポータブルのカセットコンロを使用。

主食は尾西のご飯にしようと思ったんだけど、段ボールがホコリまみれだった^^;

ちなみにこれらの賞味期限は2027年。このほかにもう1セット買ってあって、そちらの賞味期限は2028年。2セットをローリングストックすることで常時1セットは備蓄してある、という状態を作っています。

前日夜に使った食器は前日のうちに洗ってあったので、水が出ない状況で洗う必要がなかったのも良かった。まあ状況にもよるけど、できるだけ洗い物は貯めないほうが良いな、と改めて思った次第。

災害時の食器セットから、ラップや紙コップを取り出す。ラップは食器に敷いて使うことで、食事後に食器を洗う必要がなくなるという作戦です。

朝食はこんな感じ。尾西のアルファ米ごはん(山菜おこわ)、たまたま作り置いていた豚角煮とゆで卵、ナス炒め、きのこと玉ねぎのスープ、ヨーグルト。上に見切れているのは、夜に備えて用意した明かりと癒やしのオルゴール。

余ったお湯を使って食後のコーヒー。

温かいものや甘いものはやっぱりホッとしますよね。

顔を洗えないのでクレンジングで顔を拭く。身体は体拭きでササッと拭く。
トイレ運用
今までの自宅避難訓練ではややざっくりと行ってしまったトイレ運用を今回は厳格にしてみます。つまり、断水で水道が使えず、お風呂の汲み置きもないため水洗できない状況でのトイレ運用を試みます。

まずは超基本から。便座に45リットルのビニール袋をかけ、さらにもう1枚かけて、2重にナイロン袋がかかった状態にします。2枚目にかけたビニール袋に用を足し、その袋だけを廃棄し新しい袋と取り替える、というのが基本の流れ。

ビニール袋には吸水ポリマーを入れておきます。これまでの経験から、1回あたり5グラムの吸水ポリマーを入れておけば充分そう。
そして何より大事なのは、中に入れたものが臭わない魔法の袋、BOS袋!

BOS袋のサイズ感はこんな感じ。Sサイズのほうが大きく見えますが、Mサイズのほうが縦に長く、幅の広いマチが付いていますので、ビニール袋ごと用便を廃棄するにはMサイズが必須です。Sサイズの方は、吸水ポリマーを入れて直接用を足せる場合にちょうど良いサイズ。使い分けてのもよいですが、どちらかだけならMサイズを用意しておくのが良いでしょう。

1回分の大便とトレペその他を包んだビニール袋に入れた状態がこちら。モザイクを掛けるとなんだか汚いものに見えてしまいますが、実際はピンクのきれいな袋なのです。中身もほぼ見えませんし、何より臭いが全くしないので、言われなければ汚物が入っていることが分からないくらい。
ビニール袋に排便するのってやはりとても抵抗があります。知らない人と共同生活をしている場所ならなおさらでしょう。このように自宅で慣らしておくことにはかなり意味があると思います。
トイレについての雑感は後述します。
昼食

冷凍ご飯が停電により自然解凍してしまっている、という想定のもと、このご飯をどうにかして食べられるようにします。凍ったままのご飯をアイラップに入れて・・・

貴重な水を使って湯煎します。

裏返しながら10分ほどボイルしました。

昼ご飯はこんな感じ。ほぼ朝と同じで、湯煎したご飯はアイラップに入ったまま食べます。見た目はともかく、かなり美味しいごはんになりました。
冷凍ご飯容器にはナカヤふっくらパックを使っているのですが、水分を程よく逃がして冷凍・解凍できるので、かなり美味しい状態でご飯を冷凍保存できます。
ガジェットの充電

非常持ち出し袋にモバイルバッテリーを入れているので、動作チェックを兼ねてガジェットの充電も行います。

こんなソーラーパネルを持っているので、

カラになったモバイルバッテリーをソーラーパネルで充電します。

曇りですが一応5V1.3Aくらいの出力があり、このモバイルバッテリーはほぼ満充電まで充電できました。

ただやはり曇りのためか、複数のモバイルバッテリーを接続すると充電は遅々として進まなくなってしまいました。曇りの日には充電速度を期待しないほうが良さそうです。
一方で、後日晴天の日に試したところ、このソーラーパネルは最大で30Wくらいの出力を叩き出していました。曇りと晴れとで出力に大きな違いがあり、晴れの日ならモバイルバッテリーのほかデジカメなんかもグングン充電できました。万能選手ではないものの、充電手段のプランBとしては大いに期待ができます。

充電といえば車のバッテリーも有効活用できます。バッテリーから直接DC電源を取る、いわゆるバッ直ケーブルを使ってモバイルバッテリーを充電してみました。ちなみにエンジンは掛けていない状態です。

およそ2時間半で、8,000mAhのモバイルバッテリーをほぼ満充電にすることができました。

車側のバッテリーは12.3Vの電圧を保ったまま。車の運用には問題ないレベルです。
車は移動手段や居住空間であることはもちろんのこと、充電器や情報収集端末という側面もあります。エンジンが掛けられれば、バッテリーあがりを気にせず充電も冷暖房も可能になります。車を所有しているのであれば、ガソリンを常時入れておくことも災害対策の大きな柱ですね。
日没

日が落ちてきました。LEDライトを点灯させます。

ちょっとした照明なら、こういったソーラー充電式LEDライトや・・・

ツアーグッズのLEDライトなども活用できます。羽生結弦さんのノッテ・ステラータランタンと2024年公演のブレスレットです。

室内を移動するときは手首に巻いちゃおう!
夕食

朝昼はほぼ同じ食事だったので別のものを食べたくなりました。冷凍のミンチ、もやし、焼きそば麺で焼きそばを作ります。熱源はもちろんカセットコンロ!

昼食の湯煎で使った水は捨てずにとっておき、食器を拭いたりするのに使いました。

油料理なのでコンロ周りに油が飛び散ります。そんなときの掃除には、アルカリ電解水!
結構強力なのに水拭き不要なアルカリ電解水は、普段も便利ですが水に不自由する災害時のお掃除に威力を発揮することがわかりました。いやー、今回も気づきの連続です。

晩ごはん。朝昼と同じ豚角煮とゆで卵、ナス、そしてひき肉・もやしを入れたオイスターソース焼きそば、豆腐。飲み物はシークワサーソーダ(なぜか氷入り)。

食後はノンカフェインのインスタントコーヒーとマンゴーチョコ。
明日は電気が復旧していればと良いなと思いながら、おやすみなさい・・・
所感

今回は暑くもなく寒くもない時期なので、冷暖房のシミュレーションはありませんでした。とはいえ今回の自宅避難訓練も気づきの多い実りあるものとなりました。
■トイレの運用
特にやってよかったことは、トイレを水洗不可にしたことです。尾籠な話になりますが、排泄するものを全てBOS袋処理したので、このようにトイレの一角がBOS袋で渋滞しました。この中に排泄物がしっかりと抱え込まれているにも関わらず嫌な臭いは一切ありません。かなり理想に近いトイレ運用になったのではないかと思います。
一方で、BOS袋に加え1回の用足しで45リットルのナイロン袋を1枚消費します。45リットルのナイロン袋というと、一般的なゴミならかなり大量に入るサイズですので、トイレの度にこれを何枚も消費するのは気が引けると思ってしまう気持ちはわかります。
ただ繰り返しになりますが、45リットルもの大容量の袋を使うのは、便座に確実に装着するためです。水にも不自由する非常時には、トイレに失敗して汚してしまったりするとかなりの痛手ですし、精神的にも参ってしまいます。トイレを不自由なく清潔に確実に使えること。これは、先の見えない避難生活には絶対に必須のことなのです。
45リットルナイロン袋は、安いところだと1枚10円くらいの単価で買えるようですね。1人あたり1日10枚使用と仮定すると、家族5人なら50枚入りを1日で使い切ってしまう量です。もちろん本当に極限の状態だったら1回1枚なんて言ってられないかもしれませんけど、家族5人の1日分のトイレが500円で快適になるのなら安いものでしょう。小生もこの日の午後にホームセンターに行って50枚入りを買っておきました。あとラップとウエットティッシュも補充しました。
■水分をあまり摂らずに終わってしまった
水は2人で3リットルくらいしか消費しませんでした。これまでの自宅避難訓練よりも少ない量です。
上で力説したとおり今回はトイレを真面目に運用していたのですが、それでもやはりビニール袋トイレは億劫です。自然と、水を飲みたくない、水分補給は不要、という気持ちになっていたようです。避難所でトイレに行かないために水分を摂らない問題は意外と自然に起こってしまうことだと痛感しました。
水分を摂らないと血液がドロドロになり体内のいろいろな不具合を誘発します。この意味でも、トイレを気軽に安心して使える状態にすることは大切だと感じました。
■カップラーメンは時短調理のチャンピオン
不自由な中いろいろと工夫しながら行う食事の準備は楽しいものです。ただどうしても、時間はかかってしまいますね。カセットコンロは一つしかないのでお湯を沸かしている間は他の料理はできませんし、尾西のアルファ米もお湯を入れてから食べられるまでに15分くらいかかります。
尾西のアルファ米を水で戻して食べてみたことがあるのですが、満足に食べられるくらいになるには1時間半くらい待つ必要がありました。避難中の食事の準備は計画的に行う必要があります。
それを考えると、お湯を入れて3~5分で食べられるようになるカップラーメンはとてつもなく便利だと思います。なんとなく、カップラーメン生活というのは不健康や侘しさの象徴のような印象を持ってしまいがちですけど、そんな印象に捕らわれている場合ではありません。カップラーメンは我が家に在庫がなかったので、備蓄しておくことにしました。
■小生をも蝕んだ無気力
それからもう一つ。前述の水を飲む気がなくなることにも関連しますが、今回は特に無気力さを感じました。何かをしようとするのですが、何となく「まあいいか」と二の足を踏んでしまうのです。特に食事の準備にそれを感じました。
なにか特別なものを作ろうとすると、準備と後片付けが必要です。避難生活中は満足に食器洗いもできませんし、手や口をきれいにするのにも不自由します。自然と、そういった不自由を発生させないことばかりに意識が行ってしまい、心の閉塞感を覚えました。
身体はもちろん心の健康を保つことは、非日常な避難生活中では最優先に取り組むべき事項でしょう。適当な避難訓練ではありますけど、まだまだ取り組むべきことはたくさんあるなと感じました。
↑こちらから、防災タグを付けた記事をピックアップすることができます。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません