SEIKOメカニカルSARB033をお迎えしました。

2021-12-13ガジェット, 腕時計SEIKO

SEIKOメカニカルSARB033をお迎えしました。はじめてのSEIKOの機械式腕時計です。

すでにディスコンになって久しいので、もちろん中古品です。

SARB033とはどんな腕時計?

SEIKOメカニカルは2006年に誕生したブランドで、SARB033は2008年から2019年頃まで販売されたそうです。2019年頃からディスコンの噂が流れ、新品の流通は2020年には終わったようで、現在Amazonでは以前の倍以上の価格で販売されていますし、中古市場にもあまり出てこず、出てもプレミア価格で取引されています。

SARB033を語るうえで必ず出てくるポイントのひとつは価格でしょう。もともと定価49,500円(税込)で、在庫が潤沢にあった頃は3万円台中盤で販売されていたそうです。

サファイアクリスタルの風防、現在ではもっと高価格帯のモデルに搭載している6R15という日本製キャリバー(ムーブメント)、最上位機種グランドセイコーを彷彿とさせる手抜きのないデザインと、かなり奢ったスペックの製品ががこの価格で手に入るということで、日本国内はもとより海外でもプアマンズ・グランドセイコー(Poorman’s Grand SEIKO)、ベイビー・グランドセイコー(Baby-)、またセイコーの良心などと呼ばれ、ディスコンになった今でも語られ続けています。

6R15の取説はこちら。

BSB6R15_A1909_web.pdf

前述のとおり、小生が手に入れたのは中古品です。キレイにクリーニングしつつ、日差のチェックもしながら、普段使いできるようにしたいと思います。

ブレス長の調整

ブレス(金属製バンドのことをこう呼ぶそうです)の長さ調整方法は、ブレスを構成する最小単位であるコマを取り外すことと、バックルにある微調整穴で調整することの2つあります。

ブレスの長さは、手首に飛び出している2つの骨(橈骨と尺骨)の内側(肘側)に腕時計をはめた状態で、指が1本入るかどうかくらいを基準とし、好みに合わせて長さを決めるのがセオリーです。

小生のSARB033は前オーナーによってすでに2~3個のコマが外されていますが、コマをもう一つ外すとちょうどよい感じになりました。バックルの微調整穴は長めのままです。

写真のとおり、SARB033のブレスはCリングタイプのピンで固定されていました。

バックルのリリースボタンの手前に穴が2個開いているのが分かるでしょうか。コレが微調整穴で、バックルの末端がバネ棒で固定されています。バネ棒の位置を変えると4mmほどブレス長を調整できます。コマでの調整では1個付け外しするだけでブレス長が10mmくらい変化しますので、比較的大雑把にしか調整できません。この微調整穴によって、より好みのブレス長に調整できる、というわけです。

ちなみに微調整穴は、大きめのバックルだと3~4個付いていたり、逆にレディース用など小さなバックルには付いていなかったりします。

時計本体とブレスをクリーニング

次に行うのはクリーニング。表面をいくらキレイにしても、内部に残っている塵芥はなかなか落とすことができません。以前も行った、ブレスを外してセスキ炭酸ソーダ溶液に浸ける方式でクリーニングしていきます。

ブレスと弓カン(エンドピースとも。ブレスと時計本体が接続する部分のパーツ)を40℃ほどに温めたセスキ炭酸ソーダ溶液に入れ10分ほど放置。待つ間に、溶液を付けた綿棒で時計本体を磨きます。

弓カンが収まる部分はブレスを取り外さないと清掃不可能なので、この機会に前オーナーの残滓を徹底的に拭き取ります。

ステンレスケースには使用に伴う小キズがありますが、サファイアクリスタルの風防には傷一つありません。

インデックス(目盛り)はアプライド(プリントではなく、別パーツを取り付け盤面から盛り上がっている)、秒針は充分に長く盤面の外周の目盛りに接するほど。時針、分針はドーフィン針という形状ですが、根元に蓄光塗料、先端部にラインが引かれている造形は賛否両論あるようです。

デイト(日付)表示機能付き。窓にはシルバーの窓枠があります。

デイト表示は必要ないという意見もありますが、小生的にとっては、あるととってもありがたいです。十数年運用しているオシアナスにも付いていて、仕事のときに見て日付を確認することが結構あるんですよね。ちなみに曜日表示も付いたものをデイデイトと呼びます。

あらためてケース裏面はこんな感じ。内部が見えるシースルーバックです。ここのガラスはSEIKO独自のハードレックスという素材で、硬度は公表されていないものの普通のガラスより硬く傷つきにくいそうです。

大きく存在感のある自動巻きローターに、6R15Cとキャリバーの型番が書かれています。6R15は末尾にA~Dのアルファベットが振られていて、Aが最も古く、Dが最新バージョンです。ただ最新だから性能が良いというわけではなく、他のキャリバーとの部品の共通化が図るためにバージョンアップしているだけ、との考察もあります。

部品の共通化は、工業製品としては当たり前の仕様変更ともいえます。中古市場では最新の6R15Dを積んでいることをアピールする商品説明を見受けますが、性能の良し悪しは変わらないのに過度な6R15D崇拝はナンセンスといえるでしょう。

風防を下にして置くのに抵抗がある時は、ペットボトルの蓋を保持器代わりに使うのも良いですよ。

さて、だいたい汚れが取れたら、リューズが押し込まれていることをしっかり確認し、洗面器にためた水でそっと洗い、古歯ブラシで細部の汚れを掻き出します。SARB033は10気圧防水で水洗いはへっちゃらですけど、わざわざ高い水圧にさらす必要は無いと考えています。新品ならともかく、小生のSARB033は中古品ですのでどのような環境で使われてきたか分かりません。新品同様に扱えると考えない方がよいでしょう。

洗浄のポイントのひとつが、裏蓋の凹部分。ここに専用のオープナーを当てて裏蓋を開けるのですが、ここにはホコリや垢が必ず付いています。汚れが溜まっていると腕時計が一気にみすぼらしくなるので注意!歯ブラシで掃除するのも良いですし、爪楊枝で汚れをこそげ取るのもgood。

弓カンが納まっている部分も、汚れが溜まっているので歯ブラシで掃除しましょう。

水洗いが済んだら、乾いた布で水分を拭き取り、仕上げに細部にブロアーをかけ、乾燥させます。

さて、ブレスのほうはキレイになったかな・・・と。

うむ、前オーナーさん、しっかりと汚いですね(笑)

セスキ炭酸ソーダ溶液はそれほど濁っていないので、汗や皮脂などブレス表面の汚れはこまめに拭き取ってあったのかもしれませんが、ホコリや水分が結合して黒く固まる汚れはかなり残っていました。

溶液を水で洗い流し、さっぱりとしたブレス。

ブレスを再度取り付け。洗浄完了。

ケースに戻し、SARB033がきれいな状態になりました!

うん、いい感じです。バックルが傷だらけなのは、デスクワークの多い方が日常使いしていた証ですかね。小生のオシアナスもそうだし、気にするのは詮無きことです。

ザ・オヤジの時計(笑)

良い意味で、コンサバで普遍的なデザイン。ドレスウオッチ的な用途にもぴったりです。ロングセラーなのも納得です。

まとめ。

さてこのSARB033、大変格好良く、すぐにでも日常使いしたいのですが、困ったことがひとつあります。

それは・・・1日に140秒以上遅れること

つまり日差-140秒!

6R15の精度は日差+25秒~-15秒、すなわち1日あたり25秒進む~15秒遅れるのは仕様、ということになっているのですが、小生のSARB033の精度はそれに遠く及びません。1日に140秒遅れるということは、1時間あたり6秒弱の遅れ、朝出かけて夜戻ってくる頃には1分以上遅れている、ということになります。

裏蓋のシリアルナンバーによると、このSARB033は2013年9月に製造されたことが分かります。約8年前ですので、もちろん保証期間外でしょうし、キャリバー内部の部品がヘタってきてカタログスペックの日差を実現できない、というのは想像に難くありません。

ゼンマイの巻き上げ量など条件を一定にはできていないなかでの目測の域を出ませんが、少なくとも大きく遅れるのは間違いなさそう。せめて進む分には、約束や時間に遅れることもないし、秒針を止めるハック機能を使って進んだ分を遅らせることもできます。

ですが、遅れるのはなんとなく嫌なんですよね・・・

現実的な対処方法、というか機械式腕時計との上手な付き合い方としては、朝の時刻合わせで1分くらい進めておく、というのがあります・・・が、機械式腕時計に少し慣れていたら、歩度調整にも挑戦してみたいと思います。

ディスコンになった途端に需要が増える・・・手に入らないものほど欲しくなる、そういうことって、ありますよね。欲しいものは買えるうちに買っておこう!という教訓も得た次第です。小生がSARB033を比較的安価に手に入れられたのも幸運だったかもしれません・・・1年くらい早くSARB033に興味を持っていれば新品を購入できたのでしょうが・・・今思い悩んでも詮無きこと