ヘッドホン出力音声をサクッと録るワークフローその2。ZOOM H1essencialを使えば設定いらず!失敗知らず!

以前ZOOM F3フィールドレコーダを使ってのヘッドホン音声収録ワークフローを書きました。
ヘッドホン音声の録音って何のためにするの?というと、ラジオ音声の録音、いわゆるエアチェックのために行うのです。32bit float録音できるF3のおかげで、入力レベルが大きすぎても問題なし。編集で一般的なレベルに抑えればそれでOK。煩わしい手間も失敗要素もほぼ皆無です。
ヘッドホン出力は多くがミニTRS(いわゆるステレオミニ)などで、F3への入力はXLRのみ。なのでTRS-XLR変換できるケーブルの準備が必要なのが手間らしい手間、でしょうか。一般的なステレオミニケーブルで入力できる機材を使えば、準備の手間も削減でき、さらに手軽にエアチェックできるようになります。そんな夢のような機材があるのでしょうか??
あるんですよ!
それは、同社のH1essencialです。F3と同じく32bit floatに対応し、ビルトインステレオマイクに加えライン入力も備えたハンディレコーダです。

H1essencialのライン入力にケーブルを接続し、音源側から音を出してH1essencialの録音ボタンを押すだけで、簡単に録音できてしまいます。H1essencialの画面を見ながら、波形が枠いっぱいに振れるくらいまで音源側の音量を上げておくとモアベターかな。この写真の例だと、もう少し音量を上げる余地がありました。

F3では入力ソースについて、ファンタム電源の有無やマイクレベル/ラインレベルを設定する必要がありましたが、H1essencialは外部入力はライン入力のみなので、ソースの設定自体がありません。
しかもケーブルを接続するだけで、入力ソースがビルトインマイクから外部入力に自動的に切り替わります。F3より機能の少ないH1essencial用にマッチするよう、よく考えられた設計です。

H1essencial画面いっぱいに波形が振れるくらいのレベルで録音したデータを、フリーの波形編集ソフトAudacityに取り込みました。
一見すると、明らかに大失敗な音声データのように見えます。レベルが大きすぎて音が潰れちゃっているように見えます。右上のレベルメータもレッドに振り切れていて、実際に再生してみても音声も割れまくっちゃっています。
たった一度しかチャンスのない録音がこんな感じで録れてしまったら取り返しがつきません。泣くに泣けないですし、これが仕事だったらと思うとゾッとします。

でもH1essencialなら、というか32bit float録音なら心配無用。最大振幅を-1.0dbに設定してノーマライズをかけてやれば、このようにごく普通の波形データが現れました。再生してみても、さっきまで割れまくりで聴くに耐えない音声だったのがウソのように、とてもきれいな音声が出力されました。
これまでとは比較にならないほどに広い記録領域を持ち、大きな音も小さな音もほぼもれなく収録できる、これが32bit float録音の本領なのです。つまり、取り返しのつく録音機材なのです。

H1essencialのおかげで、ラジオのエアチェック作業もはかどります。「野村萬斎のラジオで福袋」に羽生結弦さんが出演したときの録音は残しておきたかったので、今回は検証も兼ねてエアチェックを行いました。
最後は32bit float賛美になってしまいました。もちろん、ラジオのエアチェックごときに32bit floatは役不足もいいところなのは重々承知しています。32bit floatでなくても、単に出力レベルをよろしく合わせて録音すれば良いだけですし、古来よりプロはそうしてきたわけですから。
ただそれを間違いなくこなすにはそれなりのスキルが必要なのもまた真理。スキルのない筆者でも失敗の可能性を極限まで減らせるH1essencialは、色んな意味でやはりマストアイテムだと感じています。
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