【CITIZEN NB1050-59L】初めて購入したシチズン機械式腕時計のご紹介!

文字盤がブルーの機械式腕時計を探していたところ、シチズンで素晴らしい製品を見つけました。CITIZENコレクションNB1050-59Lです。
NB1050-59L: CITIZEN | シチズンウオッチ オフィシャルサイト
NB1050-59Lとそのバリエーションモデルは、紹介記事は見かけるものの日本語の購入レビュー記事やSNSが皆無で、ECサイトにわずかなレビューがあるのみです。腕時計好きの方々から敬遠されているモデルなのかな・・・と少し不安を覚えつつも、思い切って買ってみました。

実際に手にとって見て、特徴のある針やインデックス、8振動のムーブメントと、所有しているどの時計とも異なり、とても気に入りました。写真多めにレビューします。
シチズン機械式腕時計の歴史
シチズンはセイコーやオリエント(セイコーエプソン傘下)と同様に日本のメーカーですが、現在はソーラー電波時計などクオーツ時計のイメージで、機械式腕時計のイメージはあまりありません。
ですが歴史的に見ると、前身の尚工舎時計研究所が第一号の懐中時計「CITIZEN」を発売したのは1924年で、その後はセイコーに次ぐ国内第2のメーカーとして時計業界に君臨してきました。1970年代以降はクオーツ時計の時代となり、シチズンは機械式腕時計製造から距離を置いていましたが、2010年の設立80周年を機に高級機械式腕時計用ムーブメント開発を再開し、この年から発売されたザ・シチズンオートマティックで、機械式高級腕時計市場に返り咲くことになります。
2010年は新ムーブメントCal.0910を搭載したザ・シチズンオートマティック発売、そして昨年2021年にはCal.0200に進化したザ・シチズンオートマティックが発表されました。同年8月には前述のザ・シチズンオートマティックの発売に加え、Series 8のリバイバルなど、シチズンの機械式腕時計がまさに攻勢をかけるかのような勢いです。
もちろん従来からのプロマスターやエコドライブワンといったクオーツ時計のシリーズも充実し、クオーツも機械式も揃え勢いに乗るシチズン。
そんなシチズンには、誤解を恐れず言えばその他のシリーズ的な腕時計たちを集めたシチズンコレクションというラインナップがあり、ここにも機械式腕時計があります。ザ・シチズンやシリーズ8などの大々的な発表に埋もれ、特段の発表もされずに2021年5月にひっそりと発売されたのが、小生が手に入れたシチズンコレクションNB1050-59Lなのです。あーここまで長かった~。
NB1050-59Lとは

ほぼ未使用の中古品を購入しました。ブルーの文字盤のNB1050-59Lです。

ホワイト(シルバーかも)文字盤のNB1050-59A、ブラック文字盤のNB1050-59Eもラインナップされています。

フェイス全体はこんな感じ。

12時位置にCITIZENのロゴがあり、表面が横方向のヘアライン仕上げのアプライドなので光の当たり方で表情が変化します。
インデックスは、12時、6時、9時は少し幅広で、その他は細め。何面も分けてカットされたアプライドで、外側(ベゼル側)に蓄光があります。針は先端が少し尖ったバータイプ。山折りになっていて先端方向に蓄光塗料があります。3時位置にはデイト表示があり、シルバーの枠付きです。

秒針はシンプルな形状。6時位置にはAUTOMATICとプリントされています。ミニッツマーカーもプリントです。最下部には、MADE IN JAPAN 9011-S173227 EYとの表示があります。
NB1050-59Lのスペック
公式サイトよるスペックはこちら。
商品番号 | NB1050-59L |
キャリバーNo. | 9011 |
動力 | 機械式 (自動巻き+手巻き) |
精度 | −10~+20秒/日 |
持続時間 | 42時間(最大巻上時) |
重量 | 132g |
厚み | 10.5mm |
ケースサイズ | 横 38.0mm |
ケース素材 | ステンレス |
ケース表面処理 | デュラテクトプラチナ(ライトシルバー色) |
バンド素材・タイプ | ステンレス 三ツ折れプッシュタイプ |
バンド幅 | 19.0mm |
バンド調整可能サイズ | 127~200mm |
ガラス | サファイアガラス(無反射コーティング) |
防水性能 | 10気圧防水 |
デザイン特徴 | 夜光(針+インデックス) シースルーバック |
機能 | 秒針停止機能 振動数:28,800回/時 石数:24石 日付表示 日付早修正機能 |
原産国 | 日本製 |
メーカー保証 | 1年間メーカー保証 (MY CITIZENご登録により2年間) |
取扱説明書はこちら。
フェイスをチェック

風防はサファイアクリスタルで、透明度も視認性も抜群です。

肉眼ではほぼ見えないんですが(笑)、インデックスは切れ味良く整形されています。

デイトの枠も素晴らしい加工精度です。文字盤にはサンレイが走ります。

ケース内部側面はピカピカに磨き上げられていて、ミニッツマーカーやインデックスが映り込みます。まるでチャプターリングが入っているかのよう。

分針、秒針ともに充分長く、ミニッツマーカーに届いています。分針の先は中心が少し尖っているので、精密な時刻合わせも可能。

AUTOMATICの文字だけ、デザイン的に少し浮いているような気がしますが・・・比較的都会的なデザインのNB1050-59Lに合っているといえるのかも。シチズンコレクションのモデルはこの書体で書いてあるものが多いですね。

メーカーロゴは各社とも力を入れるところでもあり、かつ価格に比例するところでもあります。NB1050-59Lのロゴをいっぱいに拡大してみました。

角度を変えると、ロゴはこんなふうにも見えます。

もうひとつ。派手ではありませんが、かなり表情豊かですよね。
ケース、ブレスはこんな感じ

ベゼルは2面とも鏡面仕上げ。ケースは斜めの面だけ鏡面仕上げで、他はヘアライン仕上げでした。リューズはダイバーズ風の寸胴なタイプで、トップには特にロゴなどはありません。ザ・シチズンだと、ここにイーグルロゴが入るんですよね。

ケース、ブレスともステンレス製で、ケースにはシチズン独自の表面硬化技術デュラテクトが施されています。ブレスについてはデュラテクト施工の有無が書いてないんですが、実際はどうなんでしょう?
なおラグ幅は19mm。レザーバンドなどに交換したいときはちょっと注意が必要かも。

サファイア風防はベゼルより0.5mmくらい飛び出しています。ステンレスのベゼルよりサファイア風防の方が硬いので、ベゼルに傷がつきにくくなる構造です。弓カンは大型の無垢ステンレスです。
ブレスは中央のパーツが大き目にデザインされた疑似三連です。

バックルには微調整穴が2つ。もう1つ2つ多くあるとより良いのですが、ダイバーズなどのスポーツ系ではない腕時計ブレスのバックルは小さめのものが多いですね。

そしてCITIZENのエンボス加工ロゴ入り。
しかし・・・いつも中古腕時計ばかり買っていて、こんなにも小キズのないブレスは久しぶりなので、心がときめきます☆彡

ブレス側面は鏡面仕上げ。すでに6時方向のコマをいくつか抜いています。

ブレス長の調整はCリングタイプです。
スケルトンバック

裏蓋はスケルトンタイプ。風防の素材は公式情報がなく分かりませんが、価格から考えるとたぶん普通のガラスでしょうね。
内部にCAL.9011 TWENTY-FOUR 24 JEWELSの文字が見えます。

ローターの角度を変えてみました。裏蓋には上から時計回りに、CITIZEN W.R. 10BAR DURATECT MADE IN JAPAN 9011-S125804 132380381 SAPPIRE BASE ST. STEELと刻印されています。

ローターの意匠が特徴的。
他社の腕時計と比較

SEIKO SARB033、OrientStar RK-AT0003Eと並べてみました。SARB033はケースサイズ38mm、NB1050-59Lも同じく38mm、RK-AT0003Eは39.3mm。数値上は僅かな違いですが、デザインによってサイズ感に大きな差があることが分かります。

右をOrientStar WZ0011ACに取り替えてみました。ケースサイズは39mmですけど、ベゼルの太さが似ているせいかRK-AT0003Eに比べサイズ感がやや近くなったような印象。
光の当たり方でこんなに変わる!

自作の腕時計スタンドに載せてみました。

直射日光に当ててみました。文字盤にはくっきりとサンレイが見られます。

角度を変えると表情がまた変化します。

針の構成も美しいですが、組立作業の難易度を思うと、めまいがしてきます。。。


蓄光はこんな感じで、ブルーに光ります。
装着感とまとめ

コマをいくつか抜いて小生の細腕に合わせたセッティングにした状態での重量は、実測で120gでした。そんなに軽いわけではないのですけど、ケースの厚みが10.5mmで小生所有の腕時計の中では薄めなので、フィット感が良いせいか数字よりも軽く感じます。

NB1050-59Lのデザインはロレックスのデイトジャストに似ているそうです。確かに画像を比較してみると、方向性には近いものがあります。

デイトジャストのことはよく知りませんが、バータイプの針の先端が直線になっていて、針の位置が厳密にわかりにくいような気がします。一方でNB1050-59Lの針もバータイプですが、このように少し尖っています。このことで、ミニッツマーカーの狙った位置にピタリと合わせる事ができるので、時刻合わせに不自由しません。
Cal.9011は28,800振動/h(4Hz)なので、一般的にはハイビートに分類されるモデルです。21,600振動/h(3Hz)とは明らかに秒針の動きが異なり、1秒を8つに割って動くのでかなりなめらかに動きます。動画撮影にもチャレンジしてみます。
基本的な性能として、充分な長さのハンド(針)、サファイア風防、42時間以上のパワーリザーブ、日差−10~+20秒とかなりの高性能です。実際のところ、10時間ほど着用して+2秒、その後12時間の平置き後+1秒(-1)、その後12時間の着用後+4秒(+3)、その後12時間の平置き後+10秒(+7)という様子。日差+数秒というところで、わずかな進み傾向です。着用・非着用によって進み具合に差が出るかは、今のところよく分かりません。
自動巻き性能とパワーリザーブですが、外したのち44時間動きました。12時間×2日間着用しましたが、少なくともこの時間の着用でゼンマイは全巻きできたことになり、自動巻き性能も申し分ありません。13時間×1日着用したときは外したあと30時間動きました。1日おきの着用なら時刻合わせは不要と考えられます。
派手な装飾が無いので飽きがこず、性能にも信頼がおける事がわかり、とにかくTPOの幅は広そうです。また良い時計をお迎えしてしまいました☆彡
おまけ
繰り返しますがシチズンといえばクオーツ時計のイメージで、自宅にはシチズン製の置き時計が2つあります。2つともたぶん30年以上前のもので、親族から譲り受けたものです。いずれも電池交換を繰り返し、今でも問題ない精度で元気に動いています。
そしてシチズンの時計といえば、これ!

阪神甲子園球場のバックスクリーンの時計の下に燦然と輝くCITIZENのロゴ!以前はSEIKOでしたが、2001年からCITIZENになったそうです。タイガースファンは2001年以降、いつもCITIZENの時計に守られていたのですね!!
ディスカッション
コメント一覧
初めまして。
さわやかな清潔感があるブルー文字盤はやはり綺麗ですね。
美麗な写真と明確で解りやすい文章内容が素晴らしく、
新色グレー文字盤NB1050-59H購入の参考とさせて頂きました。
デザインバランス、質感、高級感、精度、機能と、
全てのバランスがここまで気持ちよく揃ったNB1050のような腕時計はそうありませんね。
私は\50,000以内で購入しましたが、定価格\77,000でもバーゲンプライスなのだという事を
ひしと感じていますし、グレーモデルがこの価格帯で選べるのも嬉しいです。
ともあれ、素敵で有益な記事を拝見させて頂き有難うございました。
コメントありがとうございます!
新色のグレーはとてもステキですよね!渋くもあり、フォーマルでもあり、カジュアルでもあり…どんなシーンでも似合いそうですね。
ゲットおめでとうございます♪