掛け時計のムーブメントをセイジ(誠時)の新品ムーブメントに交換した。

2022-12-04便利グッズ, 腕時計DIY

先日の記事で、電波時計の悩みがすべて解消したとビッグマウスをしてしまいましたが、人の世に悩みは尽きぬものですよね。

もう10年以上愛用しているKICORI(キコリ・デザイン研究所)さんの電波掛け時計が、この数年でしょうか、時刻をきちんと表示してくれなくなってしまいました。いろいろと検討した結果、ムーブメントを自分で交換することにしましたので、その顛末を記録しておきます。

キコリ 手づくり時計工房【本店】

何が起こっているのか

これ、今何時に見えますか?

最近の小生の朝は、この状態の時計を見てうんざりし、意識的に無視するか、腹に据えかねて時刻を手動で設定することから始まります。

手動で時刻を調整すると、翌日の朝はそのままの状態を維持してくれるのですが、更に翌日の朝には、またこの状態に戻ってしまっています。

原因のひとつは、先の電波時計記事のようにこの場所の標準電波受信状況が良くないことにあるのでしょうけど、10年以上稼働しているムーブメントなので、何らかの故障も考えられます。というのは、JJYEmulatorを使っても、電波を受信したりしなかったりするからです。

ともかく、掛け時計の時刻合わせを数日おきに行う現状から開放されたいのです!

機械式腕時計の時刻合わせは厭わない小生ですが・・・w

時計を取り替えてしまうのが安易な解決法ですが、この掛け時計はまだまだ愛用していきたいので、ムーブメントの交換を検討することにしました。この際ですから、電波時計ではないノーマルのクオーツムーブメントにしようと思います。

まず分解。ムーブメントの確認

※分解は自己責任で行っています。メーカーさんごめんなさい!

どこから分解できるか、構造やパーツ構成をよくよく確認しつつ、初期状態がわからなくなると良くないので、記録として写真を取りながら作業していきます。

使うドライバーは、超愛用しているPB SWISS TOOLの0番が良さそう。もちろんweraSnap-onKTCでもいいんですけど、良いドライバーはアマチュア用途ならほぼ一生モノなので、100均の工具に不満を覚えたら買い替えちゃいましょう!

よほど変わったデザインの時計でない限り、まず裏蓋を開けることで時計内部にアクセスします。裏蓋を開けると、パーツが2つ並んでいて、リード線が両者を繋げていました。

中央がメインとなる電波時計ムーブメント、右は文字盤にあるトンボの飾りを動かすための電動振り子ユニットです。

ムーブメントにはこのような刻印があります。

HD-1688 SHENG BANG / JJY RADIO CONTROLLED / QUARTZ NO(0) JUWELS UNADJUSTED

HD-1688 SHENG BANGがムーブメントの型番号のようです。SHENG BANGは中国のメーカーのようですが、この型番で検索しても別のムーブメントの情報ばかりです。

参考サイト:時計のムーブメントについてof加藤木工株式会社

JJY RADIO CONTROLLEDは、JJY標準電波受信機能がある電波時計であることを示しています。

QUARTZ NO(0) JUWELS UNADJUSTEDは、わざわざ表記する意味があるのかわかりませんが、ルビーなどを軸受に使う機械式時計ではないクオーツ時計なので、機械式時計に必須な精度調整もしてないよ、ということだと思います。

単三電池(AAサイズ)1本で動作するムーブメントです。上の赤いボタンはたぶんリセットボタン、左下の黒ボタンは強制受信ボタン、右下の青ボタンは手動時刻調整ボタンで、長押しする間長針が進んでいきます。

青いシールを剥がすと、基盤にHD-1688RCSDF(JJY) VER:1.1という表記が見えました。ちなみに電池接点と基盤との接触が悪いために誤動作するという情報があり、接点と基盤とをはんだ付けしています。残念ながら症状は改善しませんでしたが。

参考サイト:還暦ねぇ:中国製の品質の悪さに憤り

ムーブメントを取り外す

ムーブメントを取り外す前に針を外す必要があるので、文字盤と風防とを取り外します。

針は引っ張れば外れるのですけど、指では持ちにくいうえ、変なところを持つと歪んでしまう可能性があります。針はできれば新ムーブメントに流用したいので、丁寧に取り外したいところ。腕時計の針を取り外す専用工具でそっと外しました。

針が外れたムーブメントの表側。ムーブメントは、表面側から丸ナットで締め付けることで保持されています。

ナットを外すと、ムーブメントが自由な状態になりました。

ムーブメントと振り子ユニットとは、2本のリード線で繋がっていました。振り子ユニットに別の電池を入れずとも、ムーブメントの電池と並列につないで電力を供給し動作させる仕組みでした。電池の消耗は大きくなるでしょうが、1本の電池を交換することで事足りるようにする設計です。

取り外したムーブメント。この面は時計に密着しているので普通は見ることができません。

新ムーブメント選択のために各部計測

ムーブメントそのもののサイズも重要ですが、加えて大切なのは文字盤の厚さです。ムーブメントのシャフトが文字盤の表面に届かなければ、針を取り付けることができません。ムーブメントを選ぶ際にシャフト長を選択する必要があるのです。

旧ムーブメントのシャフト長と文字盤の穴を目測するに、文字盤の厚さは6mm程度ありそう。

新ムーブメント 誠時SP-350

セイジ(誠時)のSP-350というムーブメントを購入しました。文字盤厚さ7mmまで対応し、秒針がなめらかに動くスイープクオーツです。

取り付けマニュアルは、パッケージ裏に記載されています。

ムーブメント本体のほか、ナット、ワッシャー、ナット回し工具、ゴムクッション(ゴムパッキング)、ハンガーが付属。

ムーブメントの記載は次の通り。

SKP / SC HK LTD / NO(0) JEWELS / MADE IN THAILAND / 44808V 1098A / QUARTZ

SKPはセイコータイムクリエーション株式会社が販売するムーブメントだそうです。記載から察するに、香港(HK)の会社が設計しタイで製造されているムーブメントのようにみえますけど、セイコーが関わっているということなので、それなりに信頼性のあるムーブメントと思われます。

ムーブメントのシャフトは結構長いです。

付属パーツたち。ハンガーと六角ナット&ワッシャーは使わない予定です。

新旧サイズ比較。シャフトの長さが思ったより違っていました。シャフトが長すぎると風防(前面のガラス)に当たってしまうので、その場合はスペーサーを挟むなど取り付けに工夫かもしれません。なにかあったら現物合わせで調整していきます。

ムーブメントを時計に組み込む前に、針が新ムーブメントに適合するかチェックします。新ムーブメントに差し込んでみたところ・・・

残念ながらサイズが合わず、旧ムーブメントの針は新ムーブメントに移植できませんでした。

ムーブメントへの取り付けサイズをシャフト径から計測してみると、新ムーブメントの方が0.5mmほどシャフト径が太いことが分かりました

SP-350に適合するセイジの針を追加購入しました。

色と長さからこちらを選択しました。種類が膨大にあり、色、デザイン、サイズがいろいろあるので、まず公式サイトで針を選んでから通販サイトに行ったほうが良いと思います。

針は少し歪んでいました。そして、思いのほか細かった!

半円状の断面で凝った作りなのですけど・・・文字盤との相性はどうでしょうか。

ムーブメント取り付け

ムーブメントを文字盤に仮当てしてみます。従来のムーブメントより小さいことがわかります。

文字盤側にシャフトがこれくらい飛び出しました。風防まで届かない長さでしたので一安心。

丸ナットを締め込んでムーブメントを固定します。締め過ぎると文字盤の破損やムーブメントの誤動作の元になるので、トルクのかけすぎには用心しましょう。

このような形で納まりました。

針を取り付けました。針は12時または6時位置で正確に取り付けるのがセオリーです。

裏から見るとこんな感じ。

裏蓋を仮閉めしてみました。電池の着脱は問題なく、時間調整ダイヤルにもなんとか手が届きました。

振り子ユニットとムーブメントの電池ボックスとをリード線で繋ぎます。やはりキャラクターが動いてこそのKICORI掛け時計ですからね

電池ボックスの端子にはハンダが載らなかったので、ちょっと不安定ですが端子に挟むようにして接触させています。

この状態では、ムーブメントはナットだけで文字盤に固定されている状態です。電池の取り外しなどでムーブメント自体が回転してしまう可能性があり、そうなると時刻合わせ支障をきたすので、固定パーツを自作し取り付けたいと考えています。

トンボは振り子が左右に動くことでゆらゆら動くのですけど、振り子の振り幅が時々大きく振り切れて別のパーツに当たりカタカタと音を出すのも、従来から気になっていました。

振り子が当たるところにウレタンを小さく切って貼り付け、当たっても音がしないようにプチ改造しました。

完成!視認性は?

すべて組み直し、動作チェックもできたのでこれにて完成・・・なのですが、従来より針が細くて見えづらいぞ!?

定位置に戻してみました。普段は数メートル離れて見るので、時針と分針の長さ・太さもわかりづらく、秒針は細くて見づらいです。これは針選択に失敗したか・・・!?

新旧を並べてみると、視認性の違いは一目瞭然ですね。うーん、従来のほうが見やすいのは明らかですね・・・

言い訳するわけではないんですけど、Amazonに掲載されているこの画像だと、針は結構太く見やすく見えませんか?見えますよね??そう見えるの、小生だけ???

でも実物を取り付けしてみると、太さも長さも足りず、ちょっと残念な感じ。

ただ冷静に画像と数値を見比べてみると、分針が60mm(ムーブメント取り付け部分から先端まで)ということは、針の太さは2mmくらいだということが、画像をよく見ると分かります。画像が素晴らしく見えるのは、小生の早とちりでした。

でも数日見てると、針の細さ短さにも慣れてきました

ムーブメントの性能も優秀で、数日観察した限りでは進み・遅れは0秒で運針してくれています。

紆余曲折あり、着手まで時間がかかってしまったKICORI掛け時計のムーブメント交換ですが、やって良かった!

時計針一覧

もし針を再度交換するとすると、このSH-27BKというのが視認性も良さそう。目視ですが、時針の幅は7mmくらいありそうだし、分針の幅も4mmくらいあるので、従来と同じくらいの視認性は確保できそうです。

分針が106mmと長すぎで文字盤のインデックスからはみ出してしまいますが、ハサミで慎重に切断できるそうなのでなんとかなりそうです。ちなみに従来の針のサイズは実測で、時針は長さ43mm幅8mm、分針は長さ75mm幅3mm、秒針は長さ59mm幅1mmでした。

とりあえずAmazonのカートに入れておきました。