【検証】ZOOM F3のバッテリー持続時間をチェックする。

手のひらサイズにファンタム電源供給可能な2ch XLRをそなえ、32bit float録音可能なZOOM F3。
単三電池二本で稼働するコンパクトサイズが魅力ですが、それとトレードオフで、電池の持ちはそこまで良くありません。

取説にはこのような記載があります。ヘッドホンを接続せず、ファンタム電源を供給しない場合は、約8.5時間の連続使用が可能ですが、ファンタム電源を供給しヘッドホンも接続している時は約3時間と、大幅に使用時間が減少することがわかります。
F3に負荷を掛ければ使用時間が短くなることは実感できますけど、小生の使い方でどれだけ持続時間があるのか知りたかったので、簡単に検証をしてみました。

ZOOM F3にBehringer C-3を2本接続し、2chステレオ録音します。C-3ですので当然ファンタム電源供給はオンで。録音状況をモニターしたいのでヘッドホン接続をします。録音設定は32bit float、48kHzです。すなわち一般的なフィールドレコーディングや音声収録と同じ状況です。
このセッティングで、エネループ2本の場合とモバイルバッテリーの場合とで、どれくらいの時間録音できるか検証します。
エネループの場合

まずはエネループから。エネループ、好いですよね!小生は10本以上保有しています。

満充電のエネループ2本をセットし、録音開始。エネループは2,000mAhの容量がありますので、まずはカタログスペック程度の持続時間を期待したいところ。

2時間55分経ったところ。電池残量アイコンは空っぽ状態です。そろそろ電池切れかな。

3時間を超えたところで、バックライトを点灯させると電池残量なしのメッセージが出て電源offになりました。一応3時間は連続録音できたということになります。
モバイルバッテリーの場合

ZOOM F3はUSB Type-Cを備えていて、PCと接続してオーディオI/Oとして使えるほか、電源供給も可能です。USBで電源供給できると、電源選択の幅が飛躍的に広がるのでありがたいですね。
今回検証に使用するのは、今はなきRAVPowerの6,700mAhモバイルバッテリーです。

録音が3時間を超えたところで、モバイルバッテリーの残量は50%~75%ありました。少なめに見積もっても、このモバイルバッテリー1個で6時間くらいは録音を続けられる電力を供給できそうです。
単三電池とモバイルバッテリーの併用
単三電池とモバイルバッテリーを同時にセットした場合、まず外部電源たるモバイルバッテリーから消費されるそうです。
ちなみに録音状態のときにモバイルバッテリーと単三電池、どちらかを外しても、録音状態は持続しました。残量の充分にある単三電池さえ入れておけば、消耗したモバイルバッテリーを順次取り替えることで永遠に録音できるかもしれません。
まとめ。それでも単三電池は常時入れておこう。
今回の検証で、エネループ2本で3時間くらいの録音は可能であることはわかりました。あとは運用の問題で、録音を再生したりバックライトをむやみに点灯したりすると、使用可能時間は減っていくことが予想されます。予備の電池やモバイルバッテリーを複数持っておくと安心ですね。
モバイルバッテリーの方が電力長持ちだし単三電池より優位と思いがちですが、モバイルバッテリー運用には重大な注意点があります。それは、バッテリーとF3とをUSBケーブルで接続しますので、何かあって接触不良やケーブルが外れてしまう大きなリスクがあること。
USB Type-Cコネクタは華奢なので運用時は不用意に触れないようにするなど、かなり気を使います。電力の供給源がモバイルバッテリーだけだった場合、ケーブルが不意に外れてF3の電源が落ちてしまうと、本体が故障する可能性があるだけでなく録音が止まり、それまでの録音データも消える可能性があるなど、取り返しのつかない事態に及んでしまいます。考えただけでも恐ろしい・・・!!!!!
その点、単三電池は堅牢な筐体に格納されますから不用意に外れることは皆無です。前述のとおり単三電池の電力に残量があればUSBケーブルが抜けても録音は止まりませんので、F3使用時はモバイルバッテリー運用だとしてもとにかく単三電池を入れておいて、最低限の電力を確保しておくべきでしょう。






ディスカッション
コメント一覧
初めまして。
ものすごく知りたい情報が、非常に細かく記載されていたので思わずコメントしてしまいました。
※普段は何もコメントなど残したりする性格ではありません
人間って本当に価値のある物や情報に触れた時、何かしらのアクションを起こしたくなるのだなぁと実感しました。
ZOOMF3の電源問題で悩んでいたので、大変助かりました。
改めまして、本当にありがとうございました。