XLRコネクタ比較その5~TOMOCA XLRコネクタ
各社のXLRコネクタ比較ネタ、最後を飾るのはTOMOCA(トモカ)のXLRコネクタです。
秋葉原ラジオ会館で生まれたトモカ電気株式会社は、放送局やスタジオ向けの業務用放送機器やプロオーディオを手掛ける日本のメーカーです。
サウンドハウスで扱いのあるのは、3-12EB(オス)と3-11EB(メス)のみ。ノイトリックのように膨大なラインナップはないので、ある意味助かります(笑)
もしかしたらバルク包装すら無いのかもしれません。このようにサウンドハウスのラベルが貼られて届きました。
パッケージから取り出してみました。ノイトリックやITT CANNONに比べると、何の変哲もないデザインです。
コンタクト(接点)は金メッキです。オス側にはラッチロック用の窓が開いています。
ブッシングはこんな形状。割りと太めのケーブルにも対応してくれそうです。
嵌合の具合はちょっと固めなのと、ロック解除ボタンのエッジが鋭利なので、素手だと指が痛い(笑)
バラしてみました。
チャックとブッシングはオスメス共通です。
ハウジングとインサートはこのような形状です。
メス側インサートを拡大してみました。
ケーブル側。
インサートの樹脂パーツの形状。
コンタクトとケーブルとの接点には、見えづらいですが穴が開けられています。また、シャーシグランドも取れる設計になっているようです。
オス側もそうですが、インサートとハウジングとの位置を正確に決める溝と突起があります。
オス側インサートはこんな感じ。
金メッキの質感は良さそうです。
シャーシグランドも取れるようになっています。
ピン番号の表示もあり。
改めて各パーツ全景。各部の形状や全体を眺めるうち、別の製品に見えてきました・・・!
そう、サウンドハウスのプライベートブランド、クラシックプロのCXL1B&CXL2Bに激似です。この写真では、両サイドがクラシックプロ、中央がトモカです。
クラシックプロとトモカとは、ブラック塗装の質感も同じなら、ブッシングの溝などもほぼ同じ。ブッシング先端(ケーブルが出るところ)の形状がわずかに違うくらいです。
内部を除くとちょっと見分けるポイントが出てきます。クラシックプロは銀メッキ、トモカは金メッキなので、コンタクトの色が異なるのです。
内部を比較してみます。まずはメス側から。左のゴールドがトモカ3-12EB、右のシルバーがクラシックプロCXL2Bです。
チャックの形状が大きく異なりますが、両者ともスリットが開いていて、はんだ付け後でも取り付けられる設計です。
インサートの形状はかなり似ています。
はんだの受けが、トモカはそれぞれ外側を向いているのに対し、クラシックプロは一方向に揃っています。
シャーシグランド接点は、形状がわずかに異なります。
オス側。左がトモカ3-12EB、右がクラシックプロCXL2B。
インサートはほとんど同じ(笑)
前述のとおり、トモカにはハンダ受けの部分に穴が開いています。
写真を取っていませんが、このように各パーツの基本的形状がほとんど同じなので、トモカとクラシックプロのパーツを入れ替えても組み上げることができました。
想像するに、トモカもクラシックプロも共通のオリジナルモデルを参考に設計しているのでしょうね。でもトモカさん、せめてメーカーロゴとか入れてもらえませんか(笑)それとも、もしかしたらOEMでしょうか??
ここまでやったら、ノイトリックとはどう違うのか知りたくなりました(笑)
ノイトリックNC3FXX(左)とトモカ3-12EB(右)と比較。ノイトリックの方がやや複雑な形状ですが・・・
トモカオスのハウジングにノイトリックメスのインサートが入りました!
オス側インサートはこんな感じ。ノイトリックのほうがわずかに小さいようで、ノイトリックはトモカに入るのですがトモカはノイトリックに入りませんでした。
ともあれ、トモカとノイトリックのコネクタは似て非なるものに見えますけど、基本的な設計は同じということが見て取れます。
さて、非常によく似ているトモカとクラシックプロ、値段が倍くらい違いますが、どう選びましょう?
導電性に優れるのは一般的に金メッキの方ですので、その点にこだわるならトモカでしょう。
一方で、小生の感覚では、クラシックプロのほうが嵌合精度や着脱の質感は高い気がしました。小生なら、クラシックプロ、しかもシルバーを選びたい気持ちです。トモカさん、ここまで紹介しておいてすいません(´。• д人)
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