プラチナ万年筆のコンバーターを撹拌球入りに改造する。

2024-11-17万年筆プラチナ

プラチナ万年筆のコンバーターはシルバーの700Aゴールドの800Aがあります。いずれも吸入容量は0.53mlで、コンバーターとしては一般的なサイズ。インクの棚吊り防止用の撹拌球は入っていません。

棚吊りとは、表面張力でインクがカートリッジやコンバーターの奥に溜まってしまう状態のことを言います。万年筆を傾けてもインクがペン芯の方に降りていかないため、インクがあるのに字が書けなくなる、という現象が起こります。

インクの表面を広げカートリッジ/コンバーター内部で動きやすくするために、パイロットのコンバーターには小さな鋼球や上下するパーツが入っていたりしますが、プラチナ万年筆のコンバーターにはそういう類のものが入っていません。なんか気になったので、入れてみることにしました。

撹拌球は純正カートリッジから拝借します。プレピーに入れていたブルーブラックカートリッジ(古典インク)をようやく使い切ったので、このカートリッジを流用します。

プレピーFニブには、引き続きブルーブラックのカートリッジを装填しました。

取り出したカートリッジはまず洗浄。

ほとんどの部分のインクは流水で流れ出ますけど、この部分に固まっているインクは流水ではなかなか溶けません。カートリッジ内部に水を満たし、このように立てておくと、少しずつ溶け出してきます。

水を何度か取り替え、きれいになったら乾燥させます。きれいな空カートリッジができあがりました。

このカートリッジは、スポイトでインクを注入することで、あたかもコンバーターのように使うことができます。もちろん、自己責任にはなりますが。

しかし今回は、内部の鋼球を取り出すために泣く泣く壊しました。

プラチナのカートリッジ内の鋼球は、使用前は蓋となってインクの乾燥や漏れを防いでくれています。サイズは直径4mmでした。

この鋼球をコンバーター内部に入れるのですが、どうやって入れるのでしょう??

実は、プラチナのコンバーターは真ん中の金属パーツを回すと分解することができるのです。

このように分解することができます。バラバラにすることで、より確実な洗浄もできますね。

コンバーター内部に鋼球を入れたら・・・

組み直して、撹拌用鋼球入りコンバーター、完成!

ピストンのストロークにも影響なし。

プラチナ万年筆がコンバーターに撹拌球を入れていないのは、少なくとも自社製インクを使う限り撹拌球の必要はないという同社の判断でもあります。それに、小生が所有するコンバーターのうち、プラチナ万年筆、LAMY、ペリカンのコンバーターには撹拌球が入っておらず、入っているのはパイロットのものだけです。

ですので、もしかしたら撹拌球なんて今どきのインクには無用の長物、なのかもしれません。

万年筆プラチナ

Posted by Hermitcrab