戦後78回目の終戦記念日の今日。静かに小松左京を読んでいる。

2024-02-04きまぐれ雑記, きまぐれ雑記 > 嗜書

このブログでも何度か書いていますが、小松左京の作品の芯には常に戦争、それも自身が身をもって体験した太平洋戦争があります。戦争を描写するのにSFという手法を選択した彼は、多角的に戦争をとらえ、様々なifの物語を綴っています。

恐ろしいifももちろんあります。彼のデビュー作とされる『地には平和を』で描かれた世界では、1945年8月15日正午に放送されるはずだった玉音放送が放送中止され、クーデターにより政府が転覆し本土決戦が起こってしまいます。それを本来の歴史に戻すべく未来からタイムパトロールが来て・・・といった感じに、本来の歴史と誤った歴史とが交錯する物語です。

1961年に第1回空想科学小説コンテスト努力賞を受賞、1963年に『宇宙塵』で発表された『地には平和を』は、発表から60年経った今でも深い示唆を読者に与えてくれます。人類は戦争を不可避なのか、戦争解決を超文明に委ねるしかないのか・・・と諦観しつつも、戦争回避のためにどんな困難も乗り越えなければならぬ、という厳しくも力強いエールも発しています。

短編集「召集令状」は文庫本で持っていたんですが、いつでも読みたいため自炊サービスを利用して電子書籍化しKindleに入れています。

終戦記念日の今日、この記事を書いたこのあとも静かに小松左京を読もうと思います。