50時間?それ以上?機械式腕時計のパワーリザーブはどれだけ必要?
小生の所有する機械式腕時計はパワーリザーブ40時間のものと50時間のものがあります。40時間ということは1日と16時間、50時間なら2日と2時間、時計が止まらないということになります。

言うまでもなく、パワーリザーブは機械式腕時計には必須の機構です。針を動かすための動力を一定の時間正確に稼働し続けることが、機械式腕時計の進化といっても過言ではありません。そんなパワーリザーブのことを考えてみました。
自動巻きの腕時計なら、装着中にゼンマイが巻かれてパワーリザーブはフルの状態になりますので、パワーリザーブは腕時計を外している間に、正確な運針を維持してくれる時間ともいえます。先ほど書いたとおり、40時間の腕時計は1日と16時間、50時間の腕時計なら2日と2時間、外してても大丈夫、ということになります。
実際のところ、1日のいろいろが終わって腕時計を外すのが19:00と仮定し、翌日の8:00に着用するのであれば、外している13時間動力を維持してくれれば充分、ともいえます。もし着用するのが2日後の8:00であれば、必要なパワーリザーブは37時間に延びます。40時間のパワーリザーブというのは、もしかしたら週休1日だった頃にちょうどよかった設計なのかもしれません。
さて今日のスタンダードは週休2日ですから、金曜夜に外し、月曜朝に着用すると、その間はおよそ63時間。40時間どころか、50時間のパワーリザーブでも足りません。2日間着用しないなら、50時間のパワーリザーブは帯に短したすきに長し、という感じです。
50時間パワーリザーブを使ってみてわかったデメリットもあります。2日と数時間稼働するということは、外したのち2日と数時間後に止まる、ということになります。この数時間後というのがキモで、夕方~夜に外すと、2日後の深夜前後に止まることになるんですよね。深夜前後に止まるということは日付変更禁止時間帯に止まるということなので、止まった状態で不用意にリューズをいじるとムーブメントを壊してしまう危険があります。止まった50時間パワリザ腕時計を再稼働させるときは、一層の注意をもってリューズを操作する必要があると感じています。
なんか書いているうちに、50時間パワーリザーブにロマン以外の存在意義はあるのだろうか、と考えてしまいました・・・。
50時間以上のパワーリザーブも世の中にはたくさんあり、なかには31日もの鬼ロングなものもあります。値段は見ていませんが、きっと目が飛び出すくらい高価なのでしょう。
そして最近では、80時間パワーリザーブが手の届く価格帯になっているようです。
ハミルトンのこちらのモデルは、80時間のパワーリザーブを持ちながらAmazon価格で70,000円程度と、かなりお買い得感のあるモデルです。サファイアクリスタル風防、充分な長さの針で、ルックスにも死角がなさそう。80時間というと、3日と8時間ですから、金曜の夜に外しても火曜未明までは動いている計算になります。
色々考えたり50時間パワリザをディスってきましたが、それでも自分の腕に機械式腕時計が収まっているのって、やっぱ好いんですよね。クオーツ腕時計では気にすることのない、まるで腫れ物に触る生き物に接するかのように、機械式腕時計運用を楽しんでいます。
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