顔料インクと古典インクを誤って混ぜちゃったけど、アルカリ電解水が窮地を救ってくれた!

やらかしました。
もともと顔料インク(セーラー・蒼墨)を入れていたプレジールに、古典インク(ペリカン・ブルーブラック)を補充してしまいました。
補充したときは違うインクを入れたことに気づいてなくて、使っているうちに、なんか色味が違うな・・・との思いが強くなってきた挙げ句の果てに気づくという体たらくです。
古典インクと顔料インクの混合は禁忌です。インクの成分が反応して沈殿物を作り、最悪は万年筆が再起不能となってしまいます。
小生がとった対処法を記録しておきます。
とにかく水で洗浄

まずはすぐに水で洗浄しました。水溶性の染料成分はどんどん溶け出していきますが、このような見慣れない固着物がフィン部分に残っています。

ペン先からは、インクの固まりが出てきます。こんなの初めて見ました・・・

水のみで1週間ほどかけて洗浄しました。一見きれいになったように見えますが、

結局フィンに残った固まりを取り切ることはできませんでした。
インクを詰めてみるも

もともと入れていた蒼墨を空きカートリッジに詰めます。

インク補充作業終了。

ですが冒頭の画像のとおり、インクがなかなか出てきてくれません。思い切って万年筆自体を振ったりしてみても、若干のインクがペン先に届くのみで連続供給されず、とても実用できる感じがしません。つまり、万年筆内部のどこかに致命的な詰まりがあって、それがインクの供給を妨げていることが考えられます。
アルカリ電解水で洗浄を試みる
これはプレジールを廃棄するしかないか・・・とも思ったのですが、もう少し方策を探ってみました。
こちらでがりぃさんが検証されている、アルカリ電解水を使った洗浄を試してみます。
こちらのサイトの情報も大変参考になりました。

アルカリ電解水とは、水を電気分解することで作られるアルカリ性の"水"です。一般人には作ることができないので買うしかないのですが、最近ではダイソーなどでも安価に販売されていますね。小生は手元にあった無印良品のアルカリ電解水を使いました。
アルカリ電解水は指で触るとヌルヌルします。ヌルヌルする成分が入っているのではなく、アルカリ性の水が指先のタンパク質を溶かすことでヌルヌルするのです。理科の実験で使った水酸化ナトリウムみたいなものですね。
アルカリ性、つまりph値を8より高く調整した水なので、時間がたつにつれて中性に戻ろうとしてただの水になっていくそうです。一度買ったアルカリ電解水はケチらずに使うのが良さそう。

入れたインクを今一度水で洗浄したのち、アルカリ電解水につけました。
水道水で徹底的に洗浄してもうインクも出てこないくらいの状態だったのですが、アルカリ電解水に入れるとすぐにインクが溶け出してきました・・・!これは期待できそう!!

1日半くらい放置するとこんな感じ。インクがこんなに溶け出しました。ほかにも、なんか気になる浮遊物も・・・

万年筆内のアルカリ電解水を取り除くために、水道水にひたします。同じ水なのに意味があるのか、って感じもしますが、万年筆内のph環境を中性にするには必要かも。

取り出しました。なんかキャップの黒い塗装が剥げています!!アルカリ電解水の影響でしょうか・・・?これが浮遊物の正体かも?

フィン内に残った固着インクもほとんど取れましたが、万全を期すためにもう一度アルカリ電解水に漬けてみます。

二度目のアルカリ電解水洗浄でここまできれいになりました。

フィン内の沈殿物もほとんど取れたように見えます。これ以上の洗浄は難しいでしょう・・・
さらに万全を期すため、数日かけて乾燥させました。ペン内の水分、特にアルカリ電解水に由来するアルカリ性成分が残らないようにします。
再びインクを詰める

蒼墨を詰めたカートリッジを装着してみました。
インクがペン先に届くまでしばし待ちます。さて書けるでしょうか?

復活!!
書けましたよ!書けました!これだけの分量を書き続けてもインクがかすれることもなく、書いても書いてもインクが出続けてくれます。
アルカリ電解水洗浄、大成功です!これで古典インクと顔料インクを間違えても怖くない!(違)
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