あの日を忘れないために!自宅避難訓練を行ってみた。やってみて改めて分かったことは・・・その1【当日の様子編】

2021-12-13きまぐれ雑記DIY, 防災

朝、目が覚めると・・・あれ、部屋の明かりが点かないぞ・・・?トイレに行っても・・・水が流れない!急いてキッチンに行き、ガスの点火を確かめる・・・やはりガスも止まっている!テレビもつかない!電気・ガス・水道が、なぜだか分からないけど止まってしまった!!

・・・という状況を想定し、1日自宅で生活できるかチャレンジしてみました。胆振東部地震のときは、小生宅への影響はほぼ2日間の停電のみで、上下水道は通常どおり、ガスもプロパンなので無事でした。ただ今後起こるべき災害でも同じとは限りません。

3.11前後には震災関係のテレビ番組が多く、ぼーっと生きている小生に危機感を呼び覚ましてくれました。ただ、いろいろな情報は入ってきますけど、実際に試してみないとわからないことはありますよね。いざというときに困ったり戸惑ったりしないように、自宅で避難をしているという想定で生活をしてみました。

決行日は、2021年3月20日(土)春分の日!

細かい設定は以下のとおり。

①ガス:キッチンに備え付けのガスコンロは使用禁止。

②水道:使用禁止。買い置きの水でまかなう。

③電気:コンセントは使用禁止。コンセントで電力供給する電化製品ももちろん使用禁止。ただし後が面倒なのでブレーカーは落とさない(笑)

④情報収集のためにパソコンやスマホ、タブレットなどを使うことはOK。ただしコンセントでの充電は禁止。バッテリーおよびモバイルバッテリーで電源供給できる範囲で。

⑤トイレ:水道が流れない設定のため使用禁止。ただし後述のとおりトイレの代替がなかったので、代替ができるまでは使用OKとする。

⑥買い物をする場合は現金のみ使用可とする。(お店のレジが停電で動かず、カードや電子マネーが使えない状況を想定)

こんな感じで、朝から順次対処していきました。

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まずは暖房をつけないといけないのですが、メインの暖房設備である灯油ファンヒーターは電気が必要なため点火できません。ですのでもともと所有していた反射式灯油ストーブで暖を取ります。

反射式灯油ストーブは電池で点火するのですが、電池がない場合は、マッチの火でも点火可能。反射式なので赤外線がバンバン出て、まるで直火のような暖かさを得ることができ、停電時の強い味方です。

またストーブの上でお湯を沸かせるのが魅力ですね。部屋の乾燥防止になりますし、火を使うことが難しくなる避難生活では注意しながら簡単な調理だってできるんです。小生宅では、ファンヒーターでは力不足な寒い日などにも重宝してます。

朝ごはんには、お湯を沸かして尾西のアルファ米とインスタント味噌汁を用意。水は買い置きのペットボトルのものを使用。ペットボトルは2リットルのものを20本以上備蓄していますが、1日の生活で何本使うかも興味深いところ。手の洗浄を水で行うかどうかにもよりますよね。小生は、手を拭きたいときはウエットティッシュを使い、水を節約することにしました。

食後はドリップ式のコーヒーを淹れました。いつも使っている陶器のカップを使ったのですが、飲み終えたあとに洗うことができません。汚れ物は仕方なくシンクにためておきます。前日の洗い物は前日に済ませておいてよかった・・・

食事が済んだら、情報収集と買い出しを兼ねた散歩に出発。ラジオを付けているのですが、この度の停電・断水の情報がなにも入ってこないないので(当たり前ですが)。

胆振東部地震のときは、停電に加え携帯基地局も停まってしまい、スマホでの情報収集や連絡もできなくなってしまいました。そこでまず探したのが公衆電話。災害の大きさによっては無料使用可能措置が取られるので、安否の連絡などに重宝します。

公衆電話の使い方と使用方法

近くに2つの公衆電話があることを確認。こりゃまるでオリエンテーリングだ!

避難所避難場所の位置も確認。

避難場所と避難所の違い | 衆議院議員 河野太郎公式サイト

公衆電話が設置されているスーパーも見つけました。普段だと全く目に止まらない公衆電話ですけど・・・災害継続中だとありがたいインフラに早変わり。この電話はスーパーの屋内に設置されているので、災害時にこの電話が開放されているかわかりませんが、位置を把握しておくことに損はないでしょう。

胆振東部地震のときに給水所になっていた場所もチェックしたのち、スーパーや100均で必要な資材を買い、帰宅。

昼ごはんはこれ!うまい棒パスタを作ります!あとスープとしてインスタントのじゃがいもスープも。

レシピはとあるテレビ番組で紹介されていました。

①耐熱ジップロックにパスタ(早ゆでタイプ)を2つに折って入れ、熱湯を入れ5分程度待つ。

②うまい棒を袋のまま粉々にする。うまい棒は1人前あたり2本使うよ!

③5分経って麺が柔らかくなったら、ジップロックに少しお湯を残す。残りのお湯はスープに使いましょう。

④ジップロックに粉にしたうまい棒2つを入れ、よくもんで混ぜ合わせる。

⑤お皿に盛っていただく。

コーンポタージュ味とチーズ味でカルボナーラ風になるそうです。明太マヨ味のパスタも、とても楽しみ!

熱湯を入れるため、ジップロックは耐熱温度が100℃のものを選びましょう。いわゆるジップロックも物によっては80℃までのものがあるので要注意です。

麺と熱湯を入れたパスタはこんな感じ。

粉にしたうまい棒をジップロックに入れました!スープも準備OK!使い捨ての紙コップはとても便利だけど熱くて持てなかったりするので、100均で紙コップホルダーを買いました。

こういう商品が売っています。

充分混ぜ合わせてからお皿に載せていざ実食!

・・・

なんかとてもモチモチしてる・・・残すお湯が少なかったか。そして・・・味がしない!

チーズ風味は感じるものの、うまい棒2個では塩味が足りないのか、全然味がしないんです。仕方なく、スープとして飲む予定だったインスタントじゃがいもスープをパスタにぶっかけたところ・・・

超美味しい!!!スープスパゲッティという感じ!

食後のコーヒーを淹れるのにも、紙コップホルダーは大活躍!

この日は薄曇りだったのですが、ソーラーパネルでモバイルバッテリーの充電にも挑戦!

これも胆振東部地震のあとに購入していました。小生が購入したのは、スペック上はUSB-PDで60W給電が可能なタイプです。

モバイルバッテリーに小さなソーラーパネルがついた商品も見かけますけど、あれって実は意味がないどころか、とても危険なものなんです。

モバイルバッテリーの本体ともいえるリチウムイオン電池は、高温で劣化することは大抵の人が知っていると思いますが、ソーラーパネルが付いているということは炎天下に置く前提ですよね。どう考えても危険ですね。

なので、ソーラー充電するには、このようにソーラーパネルとバッテリーとが別々になっているべきなのです。

閑話休題、2時間ほど充電しましたが、やはり薄曇りのせいか6,700mAhのモバイルバッテリーの半分くらいまでしか充電できませんでした。

そして行ったのは、夜に備えて明かりの準備です。電池式のランタンが2つあるのでそれの点灯を確認。そして挑戦したのは、サラダ油ランタン作りです。

食用油でランプを作る

サラダ油を燃料にしてランタンが作れる、という、なんとも魅力的なDIYです。

最初に作ったのはこんな感じ。ティッシュペーパーで作ったこよりをアルミホイルで支える、というなんとも簡単なシステムです。これで本当にランタンになるのか・・・

おお!火が付いた!!!

でもなんかススがいっぱい出る!そしてすぐに消えた。何でだ・・・!?

いろいろ試行錯誤した後の、とりあえずの最終形がこちら。ゼムクリップを曲げて作った支柱にこよりを固定することと、少ない油量でも油分をどんどん供給できるよう、できるだけ低い位置に灯心が来るようにしました。点火直後はやはりススが出ますが、灯心が黒く炭化すればそれ以上ススが出ないことも分かり、そしてクリップ部分(多くの作例ではアルミホイルで覆っている部分)より下までは火が燃えていかないこと、クリップ部分から先端までの灯心の長さで火の大きさが変わることも分かりました。

日が落ちるとこんな感じ。とてもじゃないけど文字を読むことすらできないです。もうちょっと工夫のしようがあるかとは思いますが、でもこのランタンはわずかなサラダ油で数時間点灯し続けました。昔の人はこんな明かりで夜を過ごしていたんですよねぇ・・・

ちなみにツナ缶ランタンも作ってみました。ツナ缶の油を燃料に明かりを灯そうという、これまたライフハックというか、サバイバルな方法です。とはいえ小生はいつもノンオイルのツナ缶を買っているので、今回久しぶりにノンオイルではないツナ缶を買ってきました。これがうまく行けば、食料(ツナ)と照明(油)を一緒に、かつ安全に持ち歩けるという、素晴らしい防災グッズに認定です!

トップバリュのツナ缶は蓋がアルミでできているので、使いやすそうと思い買ってみました。このように一応火は点いたので成功か、と思ったんですが・・・

点火して数分すると、ジジジという音を立てて燃えるようになります。想像するに、油分に混じって水分も上がってきて、それが燃える音なのではないかと。そして20分ほどで火は消えてしまいました。テレビで紹介されていたものでは50分くらい点灯していたので、これももう少し検証したいところ。

結論:いつ終わるかわからない避難生活ですから、無理せず可能な範囲で文明の利器にすがりましょうw

これはたいていの方がご存知だと思いますが、小さなLEDライトの明かりでも、ペットボトルを載せることでこんなに明るい照明になります。空のペットボトルもすぐ捨てず取っておきましょう。

反射式ストーブは夜も大活躍!ほのかな明かりで照らしてくれます。

夕食の準備をしていると、このタイミングで地震発生!宮城県沿岸に津波注意報との情報がスマホのYahoo防災アプリに入りました。

まずはラジオをつけてNHKを聴いてみると、確かに地震と津波の情報が流れていました。

ラジオに加え、タブレット端末でNHKニュース防災アプリを開き、テレビと同時配信のライブ放送を視聴してみました。津波注意報が解除されるまで、付けっぱなしにしていました。

なんか、訓練が突然実践になった感じ・・・なんというタイミングでしょう・・・!

夕食は、冷凍ご飯で作った雑炊とサバ味噌缶とツナ缶(ツナ缶ランタンに使った残り)。雑炊の作り方はこちら。

①冷凍ご飯を凍ったまま鍋に入れ、水を適量入れ火にかける。

②ご飯が温まったら、お茶漬けの素を入れよくかき混ぜながら煮込んで完成。

パックご飯だとボイルで温めることができますが、このように煮込むのもいいですよ。とにかく、温かいごはんというものは気持ちを落ち着かせてくれます。落ち着いていれば、冷静な判断もできるし、人の言葉を聞くこともできる。大事なことですよね。

トイレのことを書き忘れていました。水が流れないので、トイレに用を足すわけにはいきません

日中出掛けた際にホームセンターに立ち寄り、購入したのがこちら。その名もペットシーツ!水分を吸収する高分子ポリマーが配合された吸水シートです。ペットが用を足して良いんですから、人間様が用を足しても良いでしょう。ただサイズ感がよくわからないため、レギュラーサイズ(新聞半面)とラージサイズ(新聞全面)をバラ売りで買ってみました。

洋式トイレにビニール袋を二重にかぶせ、簡易便器とします。ビニール袋は45リットルのものを使います。

45リットルってすごく大きいサイズです。そんなに大きくなくても良いと思う方もいることでしょう。小生も実際そう思っていました。45リットルって、どんな大物を入れるつもりなのか、ってね。

でもやってみて分かったことは、45リットルは絶対に必要。容量が必要なのではなく、45リットル袋の大きな開き口が必要なのです。

どういうことかというと、洋式便器にかぶせる袋なのですから、かなり大きな開口部が必要なのです。そのためには、最低でも45リットルの袋じゃないとダメなのでした。

さて無事に袋をセットできたら、袋の中にペットシーツを敷き、用を足します。済んだら外側の袋のみを取り出し、できるだけ小さく畳んで防臭袋に入れます。

一般的なビニール袋は口をどんなにしっかり縛っても臭いが素材全体から漏れてしまいます。そんなときにはBOSの臭わない袋!後始末したものをこの中に入れて縛っておけば、どんなに鼻を近づけても臭いません!素晴らしい!ちょっと高いけどさすが専用品です。ゴミ回収が来るまで屋内のどこかに保管しなければならないのですから、信頼できる良いものを導入しましょう。

用を足したあとは次の使用のために新しい袋をセットしておきます。

ともかく、テレビもなく動画視聴も自由にできないとなると、ランタンの電池ももったいないわ暇すぎるわで、もう寝るしかありません。明日は電気が付くことを祈って、おやすみなさい・・・

その2【検証編】につづく。