Leatherman Leapを買いました。マルチツール、アーミーナイフ、昔風にいうと十徳ナイフです。レザーマンはアメリカのナイフメーカーで、創業者のティム・レザーマン氏が考案したプライヤー付きのマルチツールで有名です。マルチツールには通常ナイフ+αでさまざまな機能が付いているものですが、小生の購入したLeapにはナイフが付いていません。正確にいうと、ナイフはパーツとして付属していて、本体にナイフを取り付けるかどうかの判断は使用者に委ねられています。ナイフレスツールとして使用することもできますし、やっぱりナイフも必要ということであれば、取り付けることができます。一度取りつけたらもう取り外せない(と説明書に書いてある)ので、取り付けるにはいちおうの覚悟が必要です。レザーマンからは多くのマルチツールが発売されていますが、ナイフレスなのはLeap以外には、Style PSとStyle CSナイフレスのみ。Style CSナイフレスはレザーマンの日本法人であるレザーマンツールジャパンのオリジナル商品で、ナイフを持つことが微妙な日本の世相を反映させた商品といえるかもしれませんね。
今回Leapを購入したのは、工作精度の高い便利ツールが欲しいとか、小さくてかわいいものに目がない小生の物欲が大いに刺激された、という理由が90%くらいです。ナイフを取り付けるかどうかという究極の選択を迫られるギミックについてもドキドキしますし、携帯サイズのプライヤーはサイクリングのお供にあると心強い気がしてます。はさみがついているので、洋服を買った時にタグをスマートに切れたりしますね。
残りの10%くらいの理由は、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)や軽犯罪法、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(ピッキング防止法)なんかで縛られた日本において、こういうものが商品として売られていて、いろいろな理由から所持する人がいて、そして所持者が善良な市民であるにもかかわらず公権力によって身柄を確保されたりしているという現実に興味を覚えたから。「興味」なんていうと当事者には大変失礼だけど、マルチツールをめぐる現代の日本社会は、非常に多くの問題、そして大きな矛盾に満ちています。本音と建前、法解釈の問題や利権、懐古と現実、ナイフ犯罪の増加など、いろいろな要素が複雑に絡み合い、でも所持自体は禁止されません。刀剣類や猟銃よろしく、所持にあたって許可が必要なわけでもありません。
とりあえず関係するいろいろなサイトを紹介します。
アーミナイフ 所持(十徳)、軽犯罪法違反で捕まりました※タイトルの内容のほか、コメント欄には護身用催涙スプレー所持で捕まった話などあります
銃刀法 – 心に針※銃刀法、軽犯罪法の関係条文をまとめてあります
ツールナイフで軽犯罪法違反 – その他(法律) | 教えて!goo※車中泊中に6cm未満のナイフ所持で捕まった話し
刃物の話 :警視庁※警視庁の見解
いい塩梅な大きさのマイナスドライバーを持ち歩くとおまわりさんに捕まります | HERMITCRAB※小生の記事ですがピッキング防止法について過去に書いていました
レザーマンって持っていると便利な以上にカッコイイ|★工具屋てっちゃんの工具ブログ!※工具販売店の店長さんのブログです
なんか、新宿駅の西口で職質を受け→ナイフを発見され→任意同行の目にあっている人が多い気がしますね・・・そして、これらの器具の所持には「正当な理由」が必要との条文なのですが「何かあった時のために」「いざという時のために」は「正当な理由」にならないそうです。正当な理由にならないという条文があるわけではなく、おまわりさんの判断、つまり裁量なのですね。また、「キャンプで使用」は「正当な理由」になり得ても、「キャンプの帰りに立ち寄ったコンビニで所持していたカバンの中に入っていた」は、キャンプは「直行直帰」が原則なので「正当な理由」にはならないそうです。だから、「災害に備えてクルマに常備」なんてのも場合によってはアウトなのです。何かあった時に備えるのは当たり前のことじゃないのでしょうか?犯罪防止は国家のつとめですが、どうしてこういう解釈ができるような法律になってしまうのでしょう。
こんな世の中で、Leap所有を公言してしまった小生はLeapを持ち歩くのか!?そしてナイフパーツを取り付ける日は来るのか!?
いちおうLeapの開封の儀を。やっぱり開封の儀はしたいので。