自転車ホイール組み

スポークが届いたのでさっそくホイール組に取りかかります。

スポークはサイクルショップタキザワさんに注文しました。ホシの14番(2.0mm径)プレーン、294mm×32本。ニップル付き。

自転車ホイール組み

はからずも旅行にも行けず自宅待機で過ごす日々、たまっていた課題や研究をこなすには今しかない!ということで、いろいろ並行して取り組んでいる今日この頃です。そのひとつとして長年の懸案に取り組もうとようやく重い腰を上げました。小生の日常の足、サイクルベースあさひプライベートブランドのクロスバイク「プレシジョンスポーツ(略してプレスポ)」のフロントホイールハブダイナモ化です。

ホイール手組みへの最初の難関・・・スポーク長を計算するよ! | HERMITCRAB

以前ホイール組に取り組んだときにも書きましたが、自転車のスポークは実際に組むホイールのリム、ハブ、そして組み方によって長さが異なります。したがって、必要なスポーク長を算出して発注するために、まずホイールとハブを決めなければなりません。

自転車ホイール組み

手組みしたホイールをいよいよ若草号に取り付けます。若草号のホイールからタイヤ・チューブ・スプロケットを取り外して、新しいホイールに移植します。タイヤやチューブを新調するという話もあるのですが、ホイール以外は今までのものを使うことで、変数はホイールのみとなり、走ったときの感覚の違いがホイールの違いとなるという寸法です。

自転車ホイール組み

後ろホイールを組む作業をします。後ろホイールは左右でスポーク長が違うこと、オチョコ組みをしなければならないことなどありますが、基本は前ホイールと同様に6本組みのタンジェント組みです。前ホイールと同じく、進行方向、バルブ穴の位置、ハブのロゴとリムのロゴの位置などを考慮しながら組んでいきます。スポーク長は、フリー側が短く、半フリー側が長くなります。まあ1mmの差なんですけど。

だいたいこういうことって、最初にうまくいくと次にやるときに何かヘマをするんですよね。後ろホイールを組み始める前、そのことを思って慎重に作業を始めました。慎重に作業を進めたのですが・・・案の定、失敗をしてしまいました。

自転車ホイール組み

ホイール組をするための材料は全て揃いました。あとは気合を入れて組むだけ・・・ッ!飯倉氏のDVD「ホイール組の達人」は溝が擦り切れるくらい観た。イメージトレーニングはバッチリのはず・・・ッ!

自転車ホイール組み

自転車のホイールバランスは車体をひっくり返すことでもできますが、PWTの振れ取り台WTS12を使うと作業が格段にやりやすくなります。ということで、ピネロロのホイールのホイールバランスをとってみました。

自転車ホイール組み

振れ取り台は自転車のホイールの縦振れ、横振れを測定し、スポークやニップルを調整することで振れを少なくしていくための測定工具ですけど、ある程度のセンターが出ているとその後の調整作業が少なくて済みます。センターが出ているというのは大雑把にいうと、台の中心にきっちりと車輪が収まっているということ。そのために、振れ取り台の各部を調整してやる作業が、センター調整です。

小生が購入したPWTの振れ取り台WTS12のマニュアルには「センタリング調整した状態で出荷されます」と書いてあったのですが、素人の小生が見ても分かるくらいにセンター調整ができていませんでした。できていませんでしたというか、ホイールを所定の場所に載せても、ある部分の固定がおかしいためにアームがグラグラ動くのですよね。まあ「センター調整済み」を鵜呑みにするより、試行錯誤しながらでも納得がいくよう調整した方がモアベターです。ネットにこの振れ取り台のセンター調整事例がなく、また振れ取り台に付属のマニュアルにも調整の仕方が書いてないのですが、某青い振れ取り台と設計が同じらしいのでまあなんとかなるでしょう、と思ってやってみました。

自転車ホイール組み

手組みホイールの特徴のひとつが、リム、スポーク、ハブなどを自由にチョイスしてオリジナルなホイールを組みことができることにあります。逆にいえば、いろんなことを自分で決めなければならず、小生のような初心者には最初の大きな難関でもあるわけですが・・・ただハブとリムはホール数(両者を連結するスポークの本数)やオーバーロックナット寸法に気をつければ、基本的は好きなものを選べばOKと思われます。お金を出して高グレードなものを手に入れるもよし、最廉価でパーツをチョイスして手組みの練習をするも良し(←小生)。

しかしながら、単に市販品をチョイスするだけでうまくいかないのがスポークです。スポークにもメーカーやブランドがありどこの製品を選ぶかはお好みですけど、それよりも大事なのは、スポークの長さを計算して自分が組みたいホイールにマッチする長さのものをチョイスしなければならないということです。

一見、自転車のホイールのサイズはどれも同じに見えます。平たくいえば、スポーツバイクのホイール径は700cという規格が一般的なのですが、じゃあ700cのスポークがあるかというと、それはないのです(笑)どうしてかというと、スポークはリムとハブをつなぐ鉄線なので、スポーク長は言い換えればリムとハブとの間の距離なのですが、リムの外径は規格で一定でも、内径はリムによって様々です。ディープリムだと当然ハブまでの距離は短くなりますね。ハブも同じで、ハブの中心からスポークを通す穴までの距離はハブによって様々です。それだけではありません。ホイールを後ろからみるとわかりますが、ハブ軸を底辺、ハブとリムの距離を高さとした三角形の斜辺がスポーク長となることがわかります。底辺とはすなわちハブフランジ間の寸法ですから前輪と後輪で変わりますし、後輪でも130mmか135mmかで違いますし、それよりそれより、後輪はスプロケットがあるのでハブフランジ間の中心と三角形の底辺の中心が一致しません。すなわち、2等辺三角形ではないので右と左で斜辺(=スポーク長)が違うのです!それに加えて、スポークがリムに何mm差し込まれるかも考慮しなければならず、もうもう頭で考えるだけでは混乱してしまいます。

ともあれ、ひとつひとつやっていくしか無い、ということで、まずはハブとリムを仕入れるところから始めました。

自転車ホイール組み

ホイール組み・・・それは自転車のホイールを自らの手で組み上げること。自転車のホイールといえば、完成車に最初からついているものをそのまま使うか、各種メーカーが販売しているホイール(完組ホイール)を買うか、が普通ですけど、自転車競技の世界では、一昔前までは手組みホイールが普通だったそうです。普通だったというか、ホイールの各部分の性能が今より悪く、自転車競技でハードに使うとすぐに壊れてしまったそうな。ですから、自転車競技に携わる人はすべからくホイール組みをマスターする必要があり、壊れたら補修するとか、壊れにくく工夫するとか、そういったスキルが必要だったそうです。→参考サイト

翻って現代は完組みホイールの時代です。ホイールってのはハブ、スポークとニップル、リムでできてますけど、手組み用の部材は人間がホイールを組むために物理的な制限があります。例えば、人間の手で作業ができる(大きさ、隙間など)、人間の腕力でニップルが締められる・・・など。一方完組の方はそのような制限がありません。コンピューターでデザインするんでしょうけど、とにかく物理的・デザイン的に理想的な構造・素材のものが作れるわけですから。しかも、これまた一昔前の自作PCのように、自分でホイールを組んだ方が安くなる・・・ということもありません。高価な完組ホイールは何十万もしますが、shimanoの最廉価完組ホイールは前後ペアで実売1万円台からあり(小生のピネロロのホイールがそれです)、粗悪品ということは決してなく、むしろお値段以上とのこと。しかもロードバイクはリアが11段変速になり、手組みでは11段変速対応のホイールを作るのが非常に困難だといいます。というか完組のほうが性能が良いから完組買っちゃえば?という時代に我々は生きています。

こんな時代ですが、小生は手組みホイール制作に挑戦することにしました!

何故でしょう?特に時代に逆行したいということではないのですが、そろそろプレスポに新しいホイールを履かせたい、でも単に完組を買うより手組をしてみたい、と考えたのがきっかけかもしれません。プレスポはリアエンドが135mmのマウンテンバイク仕様なので、完組みホイールの選択肢が少ないです。でも手組みなら、エンド幅135mmのハブで組めば問題なし!あと、ピネロロはリア10速なので、現状で広く流通しているリムで手組みができます。そしてゆくゆくは11速に対応した非対称リムが流通するでしょうから、そのときに11速の手組みを作っても面白いかも・・・
そしてそして、ホイールを組むことはすべからくホイールをメンテする技術も同時に身につきます。ホイールの振れ取り、スポークテンション調整などは、完組みホイールやママチャリのホイールであっても役に立つメンテナンススキルです。

というわけで、小生は手組みホイール制作に挑戦することにしました!(2回目)

ともあれ、ホイール組みを行うには、部材のほかに専用工具が必要です。まずは振れ取り台、センターゲージ、スポークテンションメーターを購入しましたので紹介します。