Lenovo IdeaPad Pro 5i Gen9 (14型)購入レビュー。没個性なスペックモンスター!
8年ぶりに買い替えたノートパソコン。最新CPU CoreUltra 5 125Hを搭載したLenovo IdeaPad Pro 5i Gen9 (14型)をレビューしていきます。
ファーストインプレッションを一言でいうと・・・ThinkPadらしさは皆無(LenovoってだけでそもそもThinkPadじゃない)、今どきの見た目で個性も少なく、だけどスペックは素晴らしい、そんなノートパソコンです。
#Lenovo #IdeaPad Pro 5i Gen 9 (14型):カスタマイズモデル
— hermitcrab (@HermitcrabWeb) August 5, 2024
CPUはCore Ultra 125Hのままでオンボードメモリを32GBに増強。
結局これを発注することにした。 pic.twitter.com/IrPqJET9k2
Lenovo公式サイトで発注。メモリはオンボードであとから増設できないため32GBに増量。その他はデフォルトのままとしました。
発注から2週間程度で届きました。

こんな箱で到着。
開封

運送用の外箱に化粧箱が入っていました。

化粧箱といっても、Lenovoのロゴが入っただけの、ただの段ボールですが。シンプルで好いと思います。

Lenovoの封を切り・・・

化粧箱をパカリ。最高に興奮する瞬間!!

緩衝材で宙に浮くように梱包されていました。付属品はACアダプタと保証書など。
各部チェック

まずは天板から。右手前にLenovoのロゴあるのみ。

天板を開いてみました。画面は14インチだけどベゼルが細く、後で比べますが12.5インチのThinkPad X260と全体のサイズがあまり変わりません。

カメラ部分がやや出っ張っています。カメラには物理シャッター付き。
カメラはどうしても物理的にスペースを専有してしまいますが、少し出っ張らせることで極細ベゼルを実現させつつデザイン上のアクセントになっています。Lenovoの多くのモデルがこの形状になっているようですね。保護シールは後で剥がします。

キーボードはこんな感じ。パンタグラフ式で、19mmの標準的なピッチを確保した打ちやすいサイズ感です。キーボードの横のメッシュ状のところはよくわかりません。すぐ下に各種ポートが配置されているので給気口やスピーカーなどの構造物は無さそうです。
キーボード配列についてはあとで検証します。

intel evoロゴシール。インテルが提唱するIntel Evoプラットフォームに対応している証です。
要するにWindows11ノートパソコンのための最新プラットフォームを搭載している証明のようなものです。

左側面のインターフェイスはこんな感じ。
- HDMI
- USB Type-C (3.2 Gen2)
- USB Type-C (Thunderbolt4)
USB Type-Cで給電できます。これでようやく角形コネクタにお別れできる!手放しで嬉しいです!

右側面のインターフェイスはこんな感じ。
- ヘッドホン/マイク
- SDカードリーダー
- USB 3.2 Gen1 ×2
ヘッドホン/マイク端子の横には電源表示LEDとNOVOボタンホール。NOVOボタンはいわゆるリセットボタンみたいなもので、中のスイッチを押すことでリカバリーモードに入れるようです。逆さまの矢印ロゴはそういう意味なのですね。

背面。見えづらいですが上部スリットの左右に丸い構造が一つずつ見えます。このノートパソコンを選択した大きなポイントの一つである、デュアルファンが左右に配置されています。
下部(手前側)左右のメッシュ状の構造はスピーカーです。

天板はほぼ180度開きます。

重量は実測で1,473g。SSDやメモリを交換したX260が実測1,398gですので、それより75g重くなりました。
ACアダプタ

ACアダプタは、ほどほど大きく重い389g。

100W給電タイプです。出力側はもちろんUSB Type-Cです。

出力スペックをチェックしておきます。
- 20V-5A
- 15V-3A
- 9V-3A
- 5V-3A

電源ケーブルは3極で極太なものが添付されています。この形状からミッキー型とも呼ばれるようです。
ACアダプタを持ち歩くときは、こういうショートタイプの電源ケーブルの方が良さそう。
電源投入

ACアダプタを接続。給電状態を示すランプがオレンジに点灯。手前側はThunderbolt対応端子ですが、こちらに接続してももちろん充電できます。ちなみに充電完了し給電のみ行っている状態では白く点灯します。

起動しました・・・!

起動後さっそくWindows Updateが始まりました。

とりあえず初期画面はこんな感じ。セットアップについては別途まとめます。
キーボードをチェック

キーボード不要であればスマホやタブレットでも良いわけですから、キーボードなどの入力装置はノートパソコンを運用するうえでの重要なポイントとなります。一方でメーカーによって個性が出たり、コストカットの影響が出てしまいがちな部分でもあります。

このノートパソコンのキーボードは前述のとおり19mmのピッチを確保した標準的なサイズ。キーピッチとは隣のキーとの距離のことで、キートップの横幅+隣のキーとの間隔の合計が19mmということです。

左下のレイアウト。一番左からCtrl、Fn、Win、Altと並んでいます。最近はCtrlが一番左にあるのが好みなのでここはGood。一方で、あまり使わないFn(ファンクション)キーがこんなベストポジションにあるのはもったいないです。

右側下部ですが、ここが一番残念なところ。
まずは最近のWindowsノートパソコンのトレンドであるCopilotボタンが配置されてしまったこと。ここはAltやCtrlを置いて欲しかったです。
そして方向キーですね。左右ボタンが上下ボタンに比べ大きいことと、X260にはあったPageUp、PageDownが廃されてしまったこと。PageUp、PageDownはAltと組み合わせてタブ切り替えショートカットになりますし、ページスクロールでも多用します。
とはいえこれらは諦めるしかありません。Copilotボタンは時代の流れですし、ThinkPadシリーズならPageUp、PageDownは健在です。ThinkPadではなくIdeaPadを購入したのはコスト優先の結果なので慣れるようにします。

右上部分。Insert、Deleteなど文字入力に多用するキーが独立しているのはGood。
BackspaseやEnterが隣のキーと接しているのは英字キーボードのレイアウトを流用しているからなんだとか。気にするレビューも多い印象ですが小生は特段気になりません。
電源ボタンは更に上に独立して配置されています。ボタンの形状も他のキーとは全く異なり、不用意に押されない設計になっています。そんなの当たり前だろとも思いますが、
ここに電源ボタンを配置する神経が今の僕には理解できない。 pic.twitter.com/HVX5fRAvKi
— Holy Cater (@linear_pcm0153) May 24, 2024
こういうノートパソコンもあるんですよね。ほかのすべてが良くてもここに電源ボタンがあるというだけで・・・ね。
ThinkPad X260と比較
新しいノートパソコンを買ったんだから古いノートパソコンと比較しマウントを取りたいのが悲しい人間の性。
というわけで、IdeaPad Pro 5i Gen9とThinkPad X260を比較してみます。
IdeaPad Pro 5i Gen9 | ThinkPad X260 | |
初期OS | Windows 11 Home 64bit | Windows 10 Home 64bit |
プロセッサ | CoreUltra 5 125H | Core i7-6500U |
メモリ | 32GB LPDDR5X-7467MHz (オンボード) | 増設:16GB PC4-21300(DDR4-2666) |
SSD | 512GB (PCIe NVMe/M.2) | 増設:1TB(SATA) |
画面 | 14型 2,880×1,800 IPS, 光沢なし 100%sRGB, 400 nit, 120Hz, ブルーライト軽減パネル | 12.5型 1,920×1,080 IPS, 光沢なし |
ビデオチップ | CPU内蔵 インテルArc グラフィックス | CPU内蔵 インテル HD グラフィックス 520 |
USB | USB Type-C×2、USB-A×2 | USB-A×3 |
Thunderbolt | あり | なし |
トラックポイント | なし | あり |
バッテリー | 84Wh | 46.4Wh |
電源 | 100W | 45W |
購入時期 | 2024年8月 | 2016年10月 |
本体サイズ(カタログ値) | 312x221x15.99mm(最薄部) | 305.5×208.5×19.9-20.3mm |
本体重量(実測) | 1,473g | 1,398g |
購入価格 | 約14.5万円 | 約14万円(SSD、メモリ増設含む) |
まずはスペックから。ざっくりと比較するとこんな感じ。CPUの違いについては比較サイトに譲ります↓

両者の一番大きな違いはCPU性能です。本当にざっくりですがCoreUltra5 125HはCore i7 6500Uの性能を591%も上回るとのこと。約6倍の性能差って・・・圧倒的じゃないか・・・

天板の大きさはIdeaPadの方がそれぞれ1cmくらいずつ大きいです。

上がX260、下がIdeaPadです。X260は直線的な形状ですがIdeaPadは若干曲面があるような感じ。側面の幅はIdeaPadが圧倒的に薄いですが中心に向かって膨らんでいるので、全体としての厚さは多分同じくらいじゃないでしょうか。

画面表示の違いはこんなにも明らか!
- IdeaPad・・・14インチ 解像度2,880×1,800ピクセル(アスペクト比16:10)
- X260・・・12.5インチ 解像度1,920×1,080ピクセル(アスペクト比16:9)
画面の大きさもさることながら、両者はアスペクト比が違い、IdeaPadのほうが平たく言うと縦方向に長いのです。これは縦方向に情報が続くコンテンツ視聴(ウェブサイトやSNSのタイムラインなど)に向きますし、縦型の文章を作成するのにも威力を発揮します。
IdeaPadはとりあえず150%表示にしているので縦方向の実質的な解像度は1,200ピクセル相当ですけど、それでもX260と比べ情報量の多さは圧倒的です。

キーボードの違いも大きいですね。前述のとおり十字キー周りの違いのほか、左下のFn/Ctrlの位置も違います。もちろんトラックポイントの有無も。
というかトラックポイント(赤ポッチ)がないだけで、IdeaPadのモノとしての魅力はほぼ無いと言ってもいいかもしれません。ThinkPadではないのだからトラックポイントがないのは当たり前なのですが、結局はIdeaPadも数多あるノートパソコンと同じ存在になってしまっているのも事実。このノートパソコンのレビュー記事をほとんど見かけないのは、ハイスペック、高コスパにも関わらずレビュアーの筆に筆を取らせるほどの魅力をなかなか発見しづらいIdeaPadの宿命なのかも。ボロボロになりつつも魅力たっぷりなX260を前にしてそんなことを考えました。
そうはいっても前述のとおりX260から買い替えて享受できるメリットが多いことも事実です。次回の記事では詳細な動作チェックやセットアップ時につまずいたことなどをまとめます。
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