【Hisenior T2 Custom】自分の耳型に合わせて作るカスタムIEMを体験した!

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これまでに、これほどの没入感のあるオーディオリスニング体験したことがあっただろうか・・・いや、無いッ!

カスタムIEMを生まれて初めて作ってみました。自分の内耳の形に合わせて作成するイヤホン、それがカスタムインイヤーモニター、略してカスタムIEM(CIEM: Custom In Ear Monitor)です。

製作してもらったのは、四川省成都市にあるHisenior Audio Techというメーカーのエントリーモデル、T2 Customです。

購入の経緯などは後回しにして、まずは完成品をどうぞご覧ください!

フェイスプレートは新作のスカイブルー&ブラックGlitterで、透明なシェルはパープル(Heavy Purple)&ブルー(Light Diamond Blue)です。

T2はBAを2基搭載したモデルです。内部がうっすらと見えますね。レジンに気泡は全く見えません。

Glitterキラキラとか煌めきという意味です。

ラメラメの上にHiseniorブランドロゴのfebosがエンボス加工で入れられ、さらにレジンでカバーされています。

febosはFeel the Beauty of Soundの略のようですね。

従来からあるGlitterが細かいラメだったのに対し、新作Glitterはラメサイズが大小あるうえ、大きな六角形のラメもあるのでキラキラ度がすごいことになっています。

コネクタ形状は一般的な中華2ピンタイプ(0.78mm)を選択しました。

小生の耳型に合わせて作られていますので、奇妙な形をしてます。というかこれが小生の耳の中・・・

外耳道全体でイヤホンを保持するので、カスタムIEMにイヤーピースは不要です。

前後しますが、イヤホンケーブル、クリーニングクロスとブラシに加え、頑丈な収納ケースが付属します。

ケーブルは8core silver-plated occ cable、すなわち8芯銀メッキ無酸素銅線 3.5mmタイプ。シルバーのケーブルはどんな色のイヤホンにも合わせやすいものです。

クリーニングブラシとクロスはこんな感じ。

ケーブルをT2に繋いでみました。シェルが紫のほうが右です。覚えておかなければ。

ワクワクのファーストインプレッションレビューは今後の記事で!

そもそもカスタムIEMとは

カスタムIEMは、もともとはライブ会場などで大音響に曝されるミュージシャンの耳を守るために開発されました。ライブ会場では、会場音に負けないくらいの大出力でモニタースピーカーが設置されるため、何時間も大音響を浴び続けるアーティストの耳は傷つけられてしまいます。

そこで、補聴器製作の技術を応用して、アーティスト自身の耳の形状に合わせたイヤホンが開発されました。ライブ映像などで、アーティストの耳にピッタリと蓋をするような形のイヤホンを見たことはないでしょうか?これが、カスタムIEMなのです。

カスタムIEMは使用者の外耳にピッタリはまるので遮音性が非常に高く、そのおかげで音量を上げなくても必要な音がちゃんと聴こえるようになり、結果的に耳を守ることになるわけです。

このように、もともとは業務用として製作されていたカスタムIEMですが、近年は耳を守るという本来の用途のほか、高音質イヤホンの性能を装着感や外部環境に左右されずに味わうためのオーディオリスニング用途としても普及し始め、アーティストはもちろん、イヤホンマニアにも訴求する製品が発売されるようになりました。

羽生結弦さんのポータブルオーディオマニアぶりは有名ですね。

小生はKZなどのハイコスパ中華イヤホンを愛用していますが、いずれもユニバーサルタイプ、すなわちイヤーピースを付けて耳にフィットさせる汎用タイプです。ですが、魅力たっぷりなカスタムIEMの存在は以前より知っていました。興味はありつつも購入に踏み切れなかったのは、フルオーダー製作ならではの手間とコストです。

カスタムIEM製作の手順はおおむね次のようになります。

①オーダーするメーカー、機種、デザイン等を決め、発注する

②インプレッション(耳型)を採取する

③インプレッションをメーカーに送る

④メーカーはカスタムIEMを製作する(手作りの一点物です!!)

⑤メーカーより完成品が送られてくる

ざっと書いてもこんな感じ。吊るしのイヤホンを買うのとは全く異なる手順ばかりなのがお分かりかと思います。既製品ではないオーダーメイドのスーツを作るようなものですから、時間もお金もかかって当然なわけです。

また、製作者が国内メーカーならまだしも、海外のメーカーだと、英語でのやり取りと海外送金、海外へ荷物(インプレッション)送付というタスクが加わり、なんだかもう考えているだけで嫌になってきてしまうのです。

そんなこんなでカスタムIEM製作に二の足を踏み続けていた小生ですが、とあるきっかけがあり発注に踏み切りました。発注~受け取りまでは次のとおりでした。

発注まで

発注するのは、最も安価なT2というモデルです。

定価は一応169ドルのようですが、プライスタグには取り消し線が引かれていて、小生が確認した限りではいつでもセール価格として119ドルになっています。記事執筆時点では119ドル=約16,000円です。

Hiseniorは日本法人や日本の代理店はありませんから、発注はHiseniorに直接行います。発注は公式ウエブページから。ちなみに公式サイトは今年8月初頭にリニューアルし、従来と見た目が変わりました。

T2 Custom販売ページより購入手続きを行います。この時点で選ぶのはコネクタ形状のみで、デザインは後ほどになります。mmcxとノーマルな中華2ピンは追加料金無しで選択できますが、埋め込み2ピンは16ドルの追加料金がかかります。小生はmmcxケーブルを持っていないため、ノーマル2ピンを選択。

Buy it nowを押すとログイン画面が表示されます。まだアカウントを作っていない場合は、先に作ってから発注作業に進みます。

次に出てくるこの画面で、まずは配送先を確認するのですが、PayPalアカウントを持っている場合は、上にあるPayPalボタンを押すと配送先の入力に加えて決済まで済むので安心確実です。

PayPalアカウントを持っていると、セラーに直接クレジットカード番号を知らせる必要がないほか、不良品などで返金される際の口座にもなってくれます。決済に手数料が若干かかる場合もありますが、海外通販につきものの不測のトラブルを避けるために、PayPalアカウントは持っておいたほうが良いですよ!

配送先および決済情報が決まると、配送方法を選択する画面になります。無料の国際eパケットだと到着まで20~45日掛かりますが、DHL/Fedexだと到着までおよそ1週間ちょっと。30ドルの追加料金は掛かりますけど、早く確実に入手するためにDHL/Fedex配送を選択しました。

決済が完了すると、登録メールアドレスに確認メールが送られてきます。

インプレッション採取

カスタムIEM製作のキモといっても過言ではない、インプレッション(耳型)採取を行います。

採取時の注意点は公式サイトに詳しく書かれているほか、発注後Hiseniorからもメールで届きました。メールの内容は公開しませんが、おおむね公式サイトと同じ内容です。

作成時の注意点はこんな感じ。英語だし、専門的な知らない単語ばかりですが大丈夫!情報はいくらでもネットにあります。

各部の位置や名称はこちらのサイトを参照するとして、耳型を作るときの注意点は以下のとおり。

①外耳道の第2カーブまで型が取られていること

②耳珠、対耳珠、耳甲介のくぼみの型が正確に取られていること

③不必要な凹みなどが無いこと

まあ耳型はプロに取ってもらいますから、これら注意点を小生が気にすることはないでしょう。

その他に、Hiseniorではバイトブロックという簡易マウスピースを咥えて耳型を取ることが推奨されていました。バイトブロックを咥えて口をやや開けた状態にすることで、外耳道がわずかに広がります。その状態で型取りすることで、出来上がるインプレッションはわずかに大きくなり、よりタイトなIEMができあがります。

カスタムIEMの用途によってバイトブロックが必要かどうかが決まります。例えばヴォーカルが使用する際は、口を大きく開けて歌っているときもIEMがフィットしていて欲しいですから、よりタイトに作る必要があります。

一方で、一般的なリスニング用途の場合は口を開けた状態で使わないですから、タイト過ぎるIEMだと日常使いには厳しいかもしれません。カスタムIEMを何度も作っている方なら自分のこだわりがはっきりしているかもしれませんけど、カスタム初心者の小生は、何も咥えず自然に近い状態で耳型を取ることにしました。

耳型採取は専門店で行います。

eイヤホンさんの提携店情報を参照に、麻生補聴器プラザ エクセアさんにお願いすることにしました。公式サイトには耳型採取の情報が無いため、問い合わせフォームから料金を確認し、採取の予約を入れました。採取料金は、小生が確認した時点では7,700円でした。

耳型採取にあたっての注意事項も確認し、いざ!耳型採取へ!

簡単な問診のあと、専門スタッフさんに招かれ採取ブースへ。耳道のチェックをしてもらったのち、小さなスポンジを耳道の奥深くに入れられました。もしかしたら小生の耳道は細いのか、スポンジはそのままではなく若干小さく整形して入れられました。次いでスタッフさんは、青と白の型取り材を左官さんのようにヘラを使って混合してシリンジに詰めました。手際の良さに感動する間もなく、まずは左の耳内へ注入されました!

型取り材が耳に入っていくにつれ、耳の中に今まで感じたことのない重みを感じます。そして耳道が完全に埋まった途端、まるで両手で耳を強く塞いだときのような静寂を感じました!この状態で音楽を聴けるのがカスタムIEMか・・・と思っているうち、耳の中でプチプチ音が鳴り始めました。材を入れて5分ほど経ったら硬化完了。プチプチ音は、材が固まるにつれ耳道表面から少しずつ剥がれる音、だったのかもしれません。

硬化した耳型をサザエから身を取り出す要領で取り出され、チェックののち、右耳の型も取ってもらいました。完成したインプレッションを受け取り、会計して終了。

ハイ!これが小生の耳型!

型というと、なんとなく石膏の型のようにカチカチに固いものを想像していましたけど、耳型を取るための素材は柔らかいシリコン製でした。触ると弾力があるし、無理に引っ張るとちぎれてしまいそう。それはそうですね。石膏でこんなに耳の奥まで型を取ったら、耳から取り出せなくなってしまいますもの。

インプレッションを撮影し、写真をHiseniorに送る

インプレッション現物をHiseniorに送る前に、写真を撮影して画像を送ります。Hiseniorはその写真をチェックし、インプレッションがカスタムIEM作成に十分な品質か判断し、OKであれば現物を送る、という流れになります。

写真データはメールでも良いようですが、小生は別の問い合わせをすでにtwitterのDMに送り、購入意思も伝えていましたので、データもDMで送ることにします。

エクセアさんで耳型を取った日は終日外出していたので、インプレッションの写真を出先でスマホを使って撮影し、DMで送りました。

その結果・・・

南無三!インプレッションの出来があまり良くないとのこと!

時を同じくして、Hisenior-OfficialよりDMが来て、もう少しいろいろな角度から写真を撮って送るよう指示がありました。先ほど撮影したものはスマホで撮影したものだったで、ディテールが見えづらかったかもしれません。

もし本当にインプレッションの出来が良くないのであれば、もういちどエクセアさんに行って取り直さなければなりません。それも覚悟しつつ、自宅に帰って丁寧に撮影し、データを送りました。その結果、OKが出て、インプレッション現物を送るよう指示がきました。あー良かった!

インプレッションは左右合わせて29gでした。

インプレッションをHiseniorに送る

エクセアさんでもらった小箱にインプレッションを入れて・・・

少し大きめのダンボールに注文詳細を同封して梱包します。海外へ荷物を送るときには、多少送料が上乗せになってしまってもダンボールで荷姿をある程度大きくしたほうが、ロストの危険が少なくなります

さてこの荷物を中国に送るわけですが、HiseniorからはEMS(国際スピード郵便)で送るよう指示がきています。ですがコロナの影響で、2022年4月22日から7月29日まで中国宛のEMSの取り扱いが中断していました。

ですので小生は、EMSに次いで送達が早く、追跡も可能な国際eパケットで送ることにしました。

国際郵便の送り状は、国際郵便マイページサービスを利用して作成します。

このとおり、中国宛なのでEMSが選択できません(グレーアウトしています)。

内容品名や金額はこのように記載します。内容品の金額についてはHiseniorから10ドルと記載するよう指示がありますが、今回はbisonicrさんの事例を参考に500円と記載しました。

送り状とインボイスを印刷して郵便局に持っていけば発送OK。小生の荷物は300g以内だったので、送料は870円でした。局員の方に「耳型って何ですか?」と聞かれて説明に困りました(笑)

国際eパケットだと、中国へは通常8日程度で届きます。

追跡サービスで確認してみると、北京には6日で届いているのですけど、北京の税関で3日以上留め置かれています。

結局、北京税関に11日間留め置かれたのち、荷物は動き始めました。北京市では防疫のために、外国からの荷物を7日以上保管してから取り扱うという措置が取られているのだそうです。

そんなこんなで、発送から23日経ってようやくインプレッションがHiseniorに届きました。EMSが普通に機能していれば、日本→中国四川省は最速4日程度で荷物が届くのですけど、こんなところもコロナの影響を受けています。

インプレッションの到着確認とデザイン決め

Hiseniorよりインプレッション到着の連絡があり、確認のため小生の送り状も一緒に写真で送られてきました。

そしてデザインを選んで連絡するよう指示がありました。

Design Your In-ear Monitor – hisenior

T2では、これらのシェルおよびフェイスプレートのほか、新作の以下フェイスプレートを無料で選択できます。

↑DMで聞いてみたら選択可能とのことでした!

このほかに、追加料金で選択できる木目調フェイスプレートなどもあるほか、独自デザインも相談できるそう。なおシェルとフェイスプレートとを左右別で選択することも、追加料金無しでできます。

デザインを決めてHiseniorにDMすると、製作チームに伝えるとの返答がありました。

あっという間に完成!

その3日後には完成品の写真がDMで送られてきました!

これらが送られてきた画像です。

公式でもそっくり?なカスタムIEMがtweetされていました。小生のIEMが世界に(´-﹏-`;)

ちょっとだけ色のイメージが違っていましたけど、美しい仕上がりに満足し、OKを出しました。

Hiseniorから発送~受け取り

完成品は通常だと、四川省成都市のHiseniorからいったん深センに運ばれ、そこからDHLで日本に送られるそうです。

心配なのは、DHLやFeDexで適用される遠隔地配達手数料です。北海道はDHLやFeDexの設定では遠隔地扱いなので、数十ドルの追加料金が掛かると思われます。以前に中国からパソコンを購入したときは、FeDexで40ドルの追加料金が掛かりました。

このときは決済のあとにセラーからメッセージが来て、追加料金を払うか、FeDexではなく無料配送に切り替えるかを確認されたような気がします。

こんなことを考えているうちに、Hiseniorから発送連絡がありました。やはりDHLだと遠隔地扱いで追加料金がかかってしまうので、発送方法をEMSに切り替えたとのことでした。EMSはDHLに比べて配達が数日遅れる程度ですし、日本国内では日本郵便対応で安心だし追跡も可能です。ナイスな計らいにあらためて感謝のDMを送っておきました。

あとは到着まですることはありません。こちらの動画でも見て心を落ち着けながら待ちました。

発送から6日後に届きました。中国→日本の運送は非常に迅速でしたね。

こんな荷姿で届きました。

二重のダンボールに入れられ、プチプチに包まれるという厳重な梱包。

ケースが出てきました。

ケースを開けますよー!!

こんにちは!!小生のT2!!!

かかった金額は合計約29,000円でした。内訳は以下のとおり。

  • T2制作費 119ドル=約16,300円
  • T2送料 30ドル=約4,100円
  • インプレッション採取 7,700円
  • インプレッション送料 870円

円安状況ですし、さすがに1万円台で済むことはありませんけど、自分だけにフィットするものを作ってもらったという満足感はお値段以上と感じています。

発注から現物が手元に届くまでかかった日数は46日でした。そのうち11日はコロナ検疫で荷物が止まっていたので、いつもの時期なら1ヶ月ちょっとで入手できることになります。

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